「隠岐牛のサーロイン握りです。」
女将がカウンターの背後からお皿を
カウンターに置いてくれたと同時に
カウンター越しの目の前の大将が説明してくれた。
サシが入った鮮やかな色が目に飛び込んでくる。
肉が大きいので中に包まれているシャリは見えない。
サシは肉の赤身の間にある脂肪でその色合いが
大理石状なので英語ではmarblingというが目の前にある肉は正しくマーブル模様。
箸では摘まみにくいので直接手で摘まんで一気に口に放り込む。
その瞬間に肉のネットリした食感が口に広がり、
その後からかけられた醤油ベースのタレと
芽ネギの香りが追いかけてくる。
噛みしめていくと肉の脂の旨味とシャリの酢の味が
溶け合いながら混ざり合っていく。