胸肉煮込み

食・彩・記

初めて目にして初めて食べる料理は五感全てを刺激してくれる。

それが美味しければ尚更である。

この日、メキシコ料理店でメニューに鶏胸肉をじっくりと煮込んだという煮込み料理を発見。

“Slow-cooked chicken breast bathed in our “Mole” sauce and a side of rice ”

 

メニュー中で“Mole”を調べるとメキシコ料理でソース使う料理の一般名称なので、

このお店のオリジナルソースでじっくりと煮込んだ料理だと推測出来た。

鶏の胸肉は普段から良く食べるが、メキシコ料理でその店オリジナルの煮込みは初めて・・・。

この日の夕食はこの煮込み料理を注文した。

 

出てきたお皿を見れば、濃い褐色のソースとそのソースがしみ込んだ

濃い褐色の胸肉が目に飛び込んできた。

このソースに近い色と言えばデミグラスソースということになるのだが、

色が近いと言うだけであってデミグラスソースとは全くちがうソースであろう。

直ぐに食しても良いのだが、初めて目にする料理・・・、

お店の人にこのオリジナルソースの特徴を尋ねてみることにした。

聞いて損は無いはずだから・・・。

 

聞けば、火で炙った唐辛子トマトを様々なスパイスと共に炒めてソース状にして、

チョコレートとともに胸肉をじっくりと煮込むのだそうだ。

チョコレート・・・ソースは甘いのかな?

胸肉じっくり・・・胸肉が硬くパサパサなのかな?

やはり尋ねて良かった。

 

初めて口にする料理を前にして、ワクワク感が高まった。

肉を一口大に切り分ける。

あれ?

想像とは違い、ナイフが要らないくらいに肉が柔らかい。

胸肉を煮込む時にオリジナルの技術が存在しそうだ・・・。

一口大の肉にソースをたっぷりと絡めて口にする。

あれ?

チョコレート・・・が頭を巡っていたがその存在は分からず、

その代わりにとても文字には出来ないような複雑な旨味が広がり

その中から唐辛子からであろう、僅かな刺激を感じる。

その先にトロンとした胸肉の存在を感じ、それを噛みしめれば肉から

更に形容のしようが無い旨味が滲み出てくる。

一口毎にこの複雑な旨味をどう形容しようかと頭をグルグルとさせたのだが、

最後の一口まで「複雑な旨味」としか考えつかなかった。

 

五感の他に頭脳運動も加わってこの日の料理は、僕の免疫力を大いにアップさせてくれた。