塩に特別なこだわりは無い、、
というよりはこの塩に出会うまではこだわりは一切無かった。
塩っ気が幼少の頃から好きだった。
塩っ気が強いと少ないおかずでご飯を多く口に出来た。
この塩に出会って16年になるが、
この塩無しでは食事する時になんとなく物足りなくなってしまう。
2005年頃、僕は南フランスのプロヴァンス地方を旅した。
移動手段はレンタカー。
その旅の途中でアルルという日本でいえば村に1泊した。
ホテルに着いたのが夜8時頃。
レストランをホテルで紹介してもらってチェックイン後、直ぐに直行。
地元の人々で賑わうレストラン。
僕は肉を頼んだ。
もちろん、ワインも。
結構空腹だったので肉が目の前に運ばれて直ぐに口にした・・・。
一心不乱というわけでは無いが、
皿が半分くらいになるまで黙々と美味しいワインとともに、腹に流し込んだ。
ちょっと小腹が満たされて、
地元の人々の賑やかさや口にしている料理などを見る余裕が出てきた。
肉よりも魚を頼んでいる人が多かったように思う。
そんな様子を見ていると、多くの人がテーブルでやっている行動が
気になってきた。
ほとんどの人がテーブルに置かれたコルク蓋の筒状の入れ物に
手で直接、ナイフをうまく使って・・・
取り出したものを肉や魚、添え物のグリル野菜などにかけていた。
さっきまでは気付かなかったが、僕のテーブルにもその筒状の容器はしっかり置いてある。
コルクの蓋を開けると、それは塩。
結晶化した粗めの塩。
塩っ気好きな僕が放置できるわけが無い。
早速、指でつまんでパラパラと残り半分になった肉にかける。
口に運ぶ・・・と塩が素材の旨みを引き出すのか、素材の味をピシッと決めるのか、、、
塩っ気というより
旨み引き出し調味料といった感じか。
塩だけを口にしてもそれだけで美味しい。
ああ、初めから振りかけるべきだった、との思いを後にしてホテルへ戻り、
一日の疲れを癒やす眠りに就いた。
次の日、チェックアウト後、立ち寄ったお土産屋で、
昨夜のレストランに置いてあったコルク蓋の筒状の入れ物そのものを発見。
良いお土産が出来た。
その後、ドライブして次の目的地へ行く途中、野生の白馬やフラミンゴを目撃・・
というか普通に居るのを見ただけだが・・。
そして現れたのが巨大な白い山。
その白い山が塩の山・・・と気付いたのはその山を間近に見た時。
後で調べると、白馬やフラミンゴに出会ったのはカマルグ湿原地帯、
塩の山はカマルグ塩田。
これが、カマルグの塩との出会いである。