大将がカウンター越しの調理場で
形の良いマツタケを木箱から取り出して一本ずつ丁寧に磨きだした。
マツタケは水で洗ってはダメという事を聞いた事がある。
しばらくして「焼きマツタケです」と
目の前に先ほど大将が磨いていたマツタケがのったお皿が出された。
ほのかなマツタケの上品な香りを感じる。
添えられた酢橘を絞り掛けて、根本からかじりつく。
頭の部分は一番最後に食べたいから・・・。
噛めばマツタケからマツタケの汁が滲み出る。
それから酢橘の爽やかさと適度な塩気が
マツタケ特有のコリコリとした食感と共に混ざり合っていく。