スダチ(酢橘)

産地と属性

ミカン科の常緑低木。高さは約3m。漢字では「酢橘」と書く。
ユズの近縁種で、日本では古くからなじみのある柑橘類。
名の由来は、果汁を酢に使っていたことから、酸っぱいタチバナ(橘)、または酢橘(すたちばな)という説がある。
原産地は日本。おもな産地は、徳島県。ほぼ通年出まわるが、旬は8月~12月。
5月~6月ごろに白い花を咲かせ、秋に果実が実る。実はユズよりやや小さく、直径は4~5㎝、重さは30~40g。熟すとだいだい色になるが、未熟果のほうが風味があるため、青いうちに収穫し出荷して利用する。
酸味が強いので生食には向かず、果汁や果皮を調味料や薬味に使う。独特の芳香があり、まつたけ料理、魚料理、吸い物、鍋料理など、日本料理を引き立てる名脇役としても知られる。
レモンのように輪切りにして紅茶に浮かべたり、日本酒やウイスキーなどに果汁をしたたらせても風味がよい。

栄養成分の働き

ビタミンCには風邪を予防し、美しい肌を保つ働きがある。酸っぱさのもとであるクエン酸は、疲労回復効果や浄血作用があるとされる。芳香成分のリモネンには血行をよくする働きがあり、肩こりや冷え症の改善が期待できるほか、精神の安定にもよい。カリウムには、血圧を下げる、脳卒中を予防する、骨密度を増加するなどの働きがある。
搾りかすには、血糖値を抑える効果があり、糖尿病を改善することが最近の研究結果でわかった。

栄養成分

ビタミンC、クエン酸、リモネン、カリウムなど。

注意点

時間がたつと切り口が酸化してビタミンCが失われるので、食べる直前に切る。

ポイント

皮がかたくて傷がなく、緑色の濃いものを選ぶとよい。
ラップかビニール袋に入れ、冷蔵庫で保存する。果汁は搾って冷凍するとよい。
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