ハスの天ぷら

「食」のよもやま話

写真を見ただけではほとんどの方が

何の天ぷらかはわからないだろう。

天ぷらとしての出来映えも悪いし・・。

 

僕は大抵「ハス」と呼んでしまうが

正確にはハスの根ということでレンコンが正解。

レンコンが正解だけどここでは身勝手にハスと呼ぶ・・・。

ハスの天ぷらをはじめハスの料理といえば、

普通は輪切り状態でハスの穴が見えている。

この複数の穴は縁起物。

向こう側(未来)が見通せるので縁起物として

おせち料理の煮物や酢の物としてお重に収まることが

多い。

 

35年以上前のことになるが、僕は横浜にあった

バイオ研究所にいた。

そこに出入りしてくれていた理化学会社の社長が

一月に1回ほど、夕食に誘ってくれた。

行くのは大抵その社長の自宅近くの駅前にある

居酒屋。

そして必ず定番で出てきたのが「ハスの天ぷら」だった。

お皿にデンコ盛りの熱々揚げたて。

添えられた天つゆをたっぷり吸わせていつも

美味しくいただいた。

口に入れればホクホクで噛めば微かな旨みと甘みが

広がっていく。

すっかり僕の好物となった。

今でもその社長とは交流があるが、今は駅前の再開発で

廃業してしまった居酒屋での「ハスの天ぷら」が

いつも話題に上る・・・。

 

さて、我流のハスの天ぷら・・・、行きつけの

天ぷら屋の大将にその切り方を学んだ・・・というよりは

その天ぷら屋で出される「ハスの天ぷら」の切り方。

大将によればこの切り方の方が食感がシャキシャキして

ハスらしいのだそうだ。

切り方をまねて切ったハスに粉をサーッとまぶす。

そしてプロには到底及ばぬが僕なりの薄めの衣に

ハスをくぐらせて油へ投入。

揚がった熱々のハスを醤油につけていただく・・・。

噛めば噛むほどにシャキッとしたハスが

細かくなっていく。

その後から醤油の旨みが現れて醤油の存在が

消えかかると同時にハスの旨みが口に広がる。