白子グラタン

食・彩・記

客人達との会話に夢中になっている時に

熱々そうな鉄鍋が目の前に出された。

今から思うと、白子のグラタンだと女将が説明してくれるも上の空だった。

会話を続けながらも写真を何時ものように撮り納める。

何時もならカウンター越しの目の前に居る大将や我々の後方に位置する女将に、

出された料理に対する質問をするのだが、会話が途切れず何も質問しなかった。

 

目の前にある白子グラタンを見て、何時もなら直ぐに質問や感想を発していただろう。

白子がたっぷり入っていること、

グラタンに付きものの焦げ目が程良く入っていて見た目美味しいこと、

そして何時もなら必ず聞くであろう事が、このオレンジ色は何の素材から来るのか・・・というと。

 

客人との会話が途切れた時とか次以降の料理が出された時にでも聞けば良かったが、

すっかり頭の中から飛び去っていた。

そんなわけで、数ヶ月前に食した白子グラタンの記憶は写真でしか蘇らない・・・。

ただ、たっぷりの白子を熱々のオレンジ色のソースで絡め取りながら

美味しく頂いたことだけは間違い無い。