10月に入って数日後の某日、大将が
「今シーズン最後の岩ガキかも・・」と言って岩ガキを出してくれた。
そういえば岩ガキの旬は夏だと聞いた事がある。
岩ガキは普通のカキに比べて明らかに殻も身も大きくて厚い。
紅葉おろしをチョコッと取って身の端に置いて、身の端に齧りつく。
その瞬間にいわゆる磯の香が口に広がると共に
クリーミーでジューシーな旨味が広がる。
その後からそれら全てをポン酢がひとまとめにしてくれる。
一口、二口、そして三口で目の前の岩ガキの身は完全に消えて無くなって、
身からこぼれ出たクリーミーなエキスとポン酢の
残りが殻の中に残るだけとなった。
殻を手で持って口に運び、ポン酢とエキスを流し込む。
「旨い!」思わず叫んでしまう・・・。