白子

産地と属性

一般的には魚の精巣のことだが、食材としては鶏の精巣も白子と呼ばれる。魚類の白子で良く食されるものは、タラ(マダラ、スケトウダラ)、フグ(トラフグ)、サケ、タイ、サワラなど。

<タラ>

スケトウダラの白子を「助子(スケコ)」、マダラの白子を「真子(マコ)」と呼ぶのが一般的。また、地方で呼び名が異なり、北海道では「タチ」や「タツ」、青森県では「タヅ」、岩手県や宮城県では「きく」や「菊子(きくこ)」、秋田・山形・福井県では「だだみ」、京都では「雲子(くもこ)」などと呼ばれる。

タラの白子は、量も多くとれるため、もっともポピュラーな白子であり、ポン酢あえの他、鍋やみそ汁、てんぷらなど多彩な調理法で食される。北海道では、かまぼこに加工するところもある。

<フグ>

高級食材であるトラフグの白子は、クリーミーな食感と濃厚な味わいが特徴。軽く炙ってポン酢で食す他、フグ鍋(てっちり)の具としても使われる。

<サケ>

タラと同様、白子ポン酢にしたり、鍋の具やソテーなどにして食されるが、近年はサケ自体の漁獲量が減ってきているため、価格は上昇傾向にある。

栄養成分とその働き

栄養素として、良質なたんぱく質が含まれており、ビタミンD・E・B1・B12などのビタミン類と、リン、カリウム、ナトリウムなどのミネラル類も豊富。

ビタミンDは、体内のたんぱく質のはたらきを活性化させるほか、カルシウムの吸収を促し、骨を丈夫にする作用もある。ビタミンEは、抗酸化ビタミンと呼ばれる栄養素のひとつで、細胞の酸化を遅らせて老化対策に役立つ。また血管の健康を保つ働きもある。ビタミンB1は、エネルギー産生に関わり、糖質代謝に不可欠な栄養素。ビタミンB12は、赤血球の合成に深く関わっている重要な栄養素で、たんぱく質の生成やアミノ酸・脂肪酸代謝に役立つ。

注意点

タラやトラフグの白子は、新鮮なものは生でも食べられるが、念のため軽く湯通しするか焼いた方が良い。また、トラフグの白子そのものにはほとんど毒性はないが、内臓を捌く際に猛毒のテトロドトキシンが付着する可能性があるため、必ず調理師免許を持った人の捌いたものを食すこと。

ポイント

白子は栄養価も高いがカロリーも高いため、食べ過ぎには注意が必要。プリン体も多く含んでいるため、痛風になりやすい人は量を控えた方が良い。

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