万願寺唐辛子の天ぷら

食・彩・記

万願寺唐辛子の天ぷらを頂いた。

唐辛子といっても万願寺唐辛子は辛みは弱い。

大将によれば一緒に供されたジャコの佃煮と食べるのもお薦めだという。

そんな大将のお薦めを無視して、先ずはジャコの佃煮を

食べ尽くしてから天ぷらへ箸を進めていく。

主役や好みのモノは一番最後に食べるというのが僕の食べ方であると同時に

ジャコの佃煮と一緒だとジャコの存在感に主役が負けてしまうような気がしたから・・・。

 

天ぷらを食べる時、醤油を付けることが多いのだが、

この日のこの万願寺唐辛子の天ぷらはで頂くことにした。

なんとなく素材の味を存分に味わいたくなったから。

塩を全体にパラパラとまぶして端から口にする。

衣のサク感と塩気を先ず感じて、噛み進めれば柔らかな万願寺唐辛子にぶつかっていく。

更に噛みしめれば、甘い万願寺唐辛子が口中に広がっていく。

その形が長くてそれだけで存在感ある万願寺唐辛子の天ぷらは、

たった三口であっという間に消え去った。