しょうゆ(醤油)

産地と属性

大豆と小麦を原料とする、麹(こうじ)菌や酵母をで発酵させた調味料。
漢字では「醤油」と書くが、「正油」と当て字を用いることもある。
原産地は日本。一般的に、大豆、麦などの穀類を蒸し煮し、麹に塩水を混ぜて発酵・熟成させて作る。
発酵の過程において、アルコールやバニリンなどの成分で香りが、大豆のアミノ酸によってうまみが、小麦の糖によって甘みが出る。
日本農林規格(JAS)では、以下の5種類に分類している。
【こいくち(濃口)】関東地方から起こり、生産の約9割を占める一般的なもの。香りとうまみが強い。原料の大豆と小麦の比率は同量程度。
【うすくち(淡口)】関西地方で多用される。こいくちに比べると色や香りが薄いが、逆に塩分濃度は高い。こいくちより麦を浅く炒り、酒を加えるのが特徴。仕込みでは、麹の量を少なくして塩水を多くする。
【たまり(溜り)】東海地方・九州地方がおもな産地で、とろみがあり、うまみ、風味、色ともに濃厚。原料はほとんどが大豆で、小麦は使っても少量である。
【さいしこみ(再仕込み)】「さしみ醤油」「甘露醤油」とも呼ばれ、風味、色は濃厚。仕込みでは、塩水の代わりにしょうゆを用いる。
【しろ(白)】色が薄い。塩分が強く、少し甘みを含む。原料は大豆が少なく、小麦が中心。

栄養成分の働き

特有の深い味わいであるうまみは、グルタミン酸によるもの。エネルギーの代謝や利尿作用があるとされる。食塩が多く含まれ、体内の水分量を正常に調節したり、神経や筋肉の活動に欠かせない。
カリウムが豊富で、ナトリウムとバランスをとって細胞を正常に保ち、血圧を調整する。
リンやマグネシウム、カルシウムなどミネラル類がバランスよく含まれており、丈夫な骨や歯の形成に働く。ビタミンB1・B2が含まれ、皮ふや粘膜の健康維持に役立つ。

栄養成分

水分、塩分、たんぱく質、カリウム、リン、マグネシウム、カルシウム、鉄、ビタミンB1・B2など

注意点

塩分濃度が高いので、高血圧症や心臓病、腎臓病などの人は、塩分の割合を減らした「減塩しょうゆ」や「うす塩しょうゆ」などがよい。
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