韓国料理の「チャプチェ」。
甘辛く炒め合わせた料理。
僕の大好物。
お店のメニューに「チャプチェ」があれば
まず真っ先に注文する。
良く行く会社近くの韓国料理屋で、
いつものように「チャプチェ」を注文。
女将が僕が大好物なのを知ってか知らずかは
わからないが、「はい、チャプチェ。」と
満面の笑みでテーブルに。
「ありがとう!」と満面の微笑み返し。
甘辛く炒められたというよりは、煮込まれた
牛肉と甘辛い煮汁の香りが立ち込める。
このまま一皿全てを食べ尽くしたい!という
欲望をグッと堪えて、6つの取り皿に取り分ける。
見た目と違って?気の弱い僕は、僕の取り分が
他の皿より多くならぬように取り分けて皆に渡していく。
6つめの僕の皿にはどうみても皆の皿よりは
少なめの「チャプチェ」が・・・。
「2皿目までが多すぎたかな?」
「もう少し多く食べたいなあ・・・」
そんな小さな心の葛藤は微塵も見せずに、
ガバッと口に放り込む。
砂糖の甘みはもちろんだが、その甘みに
おそらく玉ねぎからの甘みが加わった甘さが
先ずは口に広がる。
噛みしめていけば、噛みしめるたびに牛肉からの
旨味が加わっていく。
奥の調理場で次の料理を準備している女将に
聞こえるように「旨い!」と叫ぶ。
いつもの変わらぬ単純な料理に対する表現だ。
心得たもので、女将は「予想通り!」といった
反応で、手を止めてこちらへ振り返ってニッコリ。
「チャプチェ」に限らず、料理を作る人と料理を食す人の
間で何回も自然の微笑みのやり取りが
出来るのが「食」の場面だろう。
一人で料理して一人で食べるシーンでは
心の中で何度も何度も微笑みのやり取りをすれば良い。