春雨(はるさめ)

産地と属性

デンプンから作られる透明で細い麺状の乾燥食品。国産の物はサツマイモやジャガイモなどのデンプンが主流だが、中国では緑豆(リョクトウ)のデンプンを用いる。また、形状がビーフン(米粉)と似ているが、その名の通り米の粉が原料であるため異なる。

中国では1,000年以上前から食されていたという記録があるが、春雨とは言わず、太いものを「粉条」(フェンティヤオ)、細いものを「粉絲」(フェンシー)と呼ぶ。日本には、精進料理の食材として鎌倉時代には伝えられていたようだが広まらず、1941(昭和16)年になってはじめて国産春雨が登場。奈良県桜井市にある森井食品が名付け親とされており、製造段階でじょうろ状の穴から細く出てくる様子が、まるで春の雨のようだと名付けたのが国産第一号とのことである。そのせいもあって主産地は奈良県の桜井市と御所市で、両市で全国生産の約6割を占めるというデータもある。

国産の春雨は原料がイモ類のデンプンのため、中国産の緑豆春雨より太く、煮崩れしやすい一方で、味が染み込みやすいため、煮物や鍋物に向く。同じようにイモのデンプンを原料とする韓国産の春雨を使ったチャプチェは有名な春雨料理のひとつ。また、プルコギなどにも使う場合がある。

栄養成分の働き

デンプンの主栄養素である炭水化物は、体内でブドウ糖に分解されて体を動かすエネルギー源となる。摂り過ぎると肥満の原因になるが、不足すると身体が疲れやすくなるなどの影響が出る。また、脳を働かせるエネルギー源でもあるため、脳内の栄養が不足して記憶力や判断力が低下したり、神経機能に支障が出たりする可能性もある。春雨はカロリーが少ないため、炭水化物を上手に摂るのには適した食品といえる。

栄養成分

炭水化物以外には、カルシウムや鉄分などの栄養素を含んでいる。

カルシウムは、骨や歯を作る重要な栄養素であり、ビタミンDと同時に摂ることで吸収率が高まる。ビタミンDを多く含む牛レバーやキノコ類と炒めるなどすれば効果的。

鉄分は、血液の赤血球のヘモグロビンを作る栄養素のため、貧血の予防や改善に効果があり、めまいや立ちくらみの症状の改善にもつながる。ハムサラダなどで、動物性の鉄分と一緒に摂るとより良い。

注意点

マロニーという商品があるが、イモのデンプンの他にコーンスターチを用いていることもあり、メーカー側も春雨とは別ものであるとしている。

麻婆春雨は、四川料理の麻婆豆腐の味付けに似せた春雨の炒め物であるが、日本生まれの料理であり中華料理ではない。

ポイント

春雨は火の通し加減によって柔らかくできるため、嚙む力や飲み込む力が弱っている高齢者などの食事メニューにも活用できる。逆に歯ごたえを重視したい場合は、緑豆春雨を用いる方が良い。

インスタントの春雨スープや春雨ヌードルなども多数出回っているため、カロリーを気にしながら手軽に食事を摂りたい場合には上手く活用したい。

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