サムギョプサル

「食」のよもやま話

幼少の頃、母が僕達兄妹に良く作ってくれたのが

豚の三枚肉、所謂バラ肉を使った味の濃い料理だった。

安い食材を味濃くすれば食費が安く済む・・・、

女手一つで僕達を育ててくれた母の、

家族で生き抜いていくために節約出来ることは何でもするという知恵。

本音は美味しいものをたらふく僕達に食べさせたかったろうに・・・。

 

ニンニクと醤油で下味が付いたバラ肉を焼いた濃い味のバラ肉とその炒め汁は

僕にとってはご馳走中のご馳走で、

美味しくてたっぷりとご飯を食べることが出来た。

 

韓国料理で豚のバラ肉が素材といえばサムギョプサルだ。

下味は付けずスライスしたバラ肉を焼いてから塩で味付けするのが一般的。

ごま油に塩を溶いたものを付けながら食べるのも美味しい。

 

事務所近くの韓国料理屋で女将が熱々の

鉄板に乗せて出してくれるサムギョプサルは

鉄板の上で味付けは完了している。

一寸厚めにスライスされたバラ肉は

食べやすいように一口大に切ってある。

焼いたものを切ったのか、切ったものを焼いたのかは分からない。

ジュージューと熱々の鉄板が目の前に出される。

直ぐに万遍なく肉に振ってあるゴマと胡椒が目に飛び込んでくる。

一口すればバラ肉と言えどもそれ程の脂は存在しない

上品な肉の存在と同時にこれまた上品な塩気を感じる。

噛みしめていけば脂とゴマの風味が混ざり合っていく。