ウニの天ぷら

食・彩・記

大将がカウンター越しの調理場で、冷蔵庫からウニ箱を取り出した。

その瞬間に次に出てくる天ぷらが何なのかが分かる。

大将はウニ箱からウニを2片、潰さないようにそれこそ慎重に

手に取って大葉に乗せてから、大葉で包んでから爪楊枝で留める。

と同時に、天ぷらの衣が入ったボールに入れて衣を薄く絡めてから油へ投入。

 

ほんの数分後、客人等との会話に夢中になっていた

僕の目の前に薄らとした衣と緑鮮やかな大葉に包まれたウニの天ぷらが出てきた。

 

半分に切って中の主役が見えるのが嬉しい。

僕は天ぷらを食べる時に醤油を使うことが多いのだが、

このウニの天ぷらは醤油が特に合う。

衣にしっかりと醤油を纏らせてから口に入れる。

 

噛めばトローンとしたウニが溢れ出てきて口に広がる。

ウニのその濃厚さが揚げることで、更に一層濃縮された

濃厚な旨味とともに醤油の旨味と塩辛さが合わさっていく。

その濃厚な旨味は一瞬で溶けながら喉元を通り過ぎていく。

その後から特別ドリンクが追いかけていくのだから堪らない。