いつも締めで頼む「卵かけご飯」に変えて「イクラご飯」を頼んでみた。
頼むと大将が一寸驚いた感じで
「卵かけご飯でなくて良いんですか?」と聞き返してきた。
「良いも悪いも今日はイクラが食べたいんだ!」と僕の気持ちを言い返す。
本当は卵かけご飯も食べたかったんだけど・・・。
出てきた小鉢に入ったイクラご飯、
はじめに目に飛び込んできたのは、ピカピカとしたイクラだ。
その輝きは海産物の「紅い宝石」と呼ばれるに相応しい。
ご法度な食べ方だとは十分に知っているが、
小皿をリクエストして醤油と山葵を合わせ、
それをイクラの上から回しかける。
「イクラには味が付いていますからそのままで・・・」
という大将の心の叫びは聞こえない振りをする。
口に入れれば、ほんの少しの磯の香を感じ噛み進めれば
噛む度にプチプチとイクラが潰れていく。
そのたび毎にイクラの旨味とご飯の甘味と醤油の塩気が
絡み合って喉元を通り過ぎていく。