ナポリタン

食・彩・記

スパゲッティーのナポリタン・・・

幼少の頃はお子様ランチのお皿に添えられていた。

中高生の頃は学校の裏側にあった洋食屋の名物だった。

大学生から社会人に掛けては喫茶店での軽食の定番だった。

 

成人してから自炊でチャレンジしたものの、

お店で出てくるあのナポリタンに近づく出来映えにはなかなか至らなかった。

スパゲッティーを具材と炒めて胡椒ケチャップを合わせれば

簡単にできるはず・・・なのにケチャップが上手く絡まないのだ・・・。

上手に出来ない原因が、麺の茹で方にあると知ったのはお恥ずかしい話、

社会に出てから20年以上も経ってからだった。

 

ナポリタンを作る時には麺を茹で過ぎくらいにしないと

お店のナポリタンに近づけない。

ただ、社会に出てから20年以上も経っていると色んな面で

舌が肥えてきているようで、茹で過ぎパスタは僕の好みでは無くなっていた。

 

そんな訳でナポリタン道からみれば邪道かも知れぬが、

僕流のナポリタンの作り方は、具材を炒め、ケチャップを合わせたフライパンに、

茹であがり時間より2分以上前の麺を投入して茹で汁を加えながら

フライパンで炒め茹であげていく。

こうして作ったナポリタンは麺にしっかりと味が滲みて、

しかしながらアルデンテに近い麺のコシが残っている代物となる。

 

11月の某日、仲間と行った下町のレストラン・・・。

ナポリタンを注文した。

出てきたナポリタン、具材はハムマッシュルームだけで

色目も素朴そのものの一品だったが、

その味と麺のフニャ感は僕が歩んできた人生で

食べてきた外食のナポリタンそのものだった。