ケチャップ(ketchup/catsup)

産地と属性

発祥はイギリスで、本来は野菜や果実、キノコ、場合によっては魚介類などを煮て裏ごししたものに、調味料・香辛料を加えて煮詰めたソース全般を指す。

語源には諸説あるが、中国に古くからある魚が原料の調味料「ケ・ツィアプ(KE-chiap)」から来ているという説が有力。この調味料は、魚に塩を加えて発酵させて作ったもので、現在のナンプラーや魚醤と同じようなものであると考えられている。この「ケ・ツィアプ」がマレー半島を経由してイギリスに渡り、欧米諸国に広まっていくが、アメリカではトマトを主原料としたケチャップが盛んに作られたため、トマトケチャップが主流となった。

日本には明治期にアメリカから伝わったが、当時すでにトマトケチャップが主流になっていたアメリカからであったため、日本でもケチャップといえばトマトケチャップのことを指すようになった

イギリスでは、「マッシュルームケチャップ」と呼ばれるキノコから作られたものが最もポピュラーであり、パイなどの隠し味にも使われている。またフィリピンには、すりつぶしたバナナに砂糖・ビネガー・スパイスと赤い着色料を加えて作る「バナナケチャップ」がある。

栄養成分とその働き

トマトケチャップは、トマトをすりつぶしたものに砂糖・食塩・酢・香辛料を加え、煮つめてつくられる。その際、トマトは完熟状態で収穫された後にすぐ加工されるため、栄養成分は生のものより高いと言われている。

βカロテン、ビタミンC、ビタミンEと、三大抗酸化ビタミンを含み、血液を健康にして動脈硬化やがん、老化防止に役立つ。βカロテンは体内でビタミンAに変換され、感染症予防に有効。ビタミンCは、たんぱく質と結びついてコラーゲンをつくり出し、皮膚や筋肉、血管、骨を強化するために欠かせない栄養素である。

さらに赤い色素成分であるリコピンは、強力な抗酸化作用を持つが、加熱・加工することで吸収されやすくなるため、生のものより効率よく摂取できる。

注意点

トマト同様の栄養成分を持つが、塩分も多く含まれているため、摂り過ぎには注意が必要。

開封後は冷蔵庫に保存する。時間とともに風味が落ちてくるため、1ヶ月を目安にできるだけ早く使いきるようにすること。保存中に水分が分離して下方に溜まることがあるため、使う前に容器をよく振ってから使うとよい。

ポイント

コンブと同じうまみ成分であるグルタミン酸を豊富に含んでいるため、和食の味付けに使うこともできる。塩分も、醤油やみそとくらべれば少ないため、減塩が必要な場合の調味料に向いている。

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