練りもの・練り製品

産地と属性

白身魚のすり身を主原料として、食塩を加え練って整形した後、加熱することでゲル化させた食品のこと。

代表的なものに、かまぼこ、ちくわ、はんぺん、さつま揚げなどがある。

起源は、平安時代の書物に「蒲鉾」が絵入りで載っているのが最古といわれているが、それらは竹を芯にして巻いたすり身を焼いた、現代のちくわに近いものであった。他方、「つみれ」のようなものはもっと古くからあったのではないかともいわれており、練りもの全体の起源は定かではない。また、中国や東南アジアの沿岸部でも古くから食されてきた。現在、国内では大手企業によるナショナルブランド製品以外に、漁業の盛んな地域を中心に、その地で獲れる素材を使った地方独特の練りものも数多く作られている。

<主な練り製品の種類>

・かまぼこ(蒲鉾)類

板にすり身を盛りつけた後に蒸して作る「板かまぼこ」の他に、笹の葉状にして焼いた「笹かまぼこ」、カニの身を模した「カニかまぼこ」、ケーシングに詰めた「チーズかまぼこ」などがある。

・ちくわ(竹輪)類

すり身を棒に巻きつけて焼いたもの。原料となる白身魚の違いによって地方色を出したものが多い。

・はんぺん,つみれ類

すり身に、卵白やヤマイモなどのつなぎを加えて茹でて作る。関東地方で食される白い「浮きはんぺん」の他に、イワシなどの青魚を使った「黒はんぺん」や棒状の「なると巻き」なども。そのまま食べるより、鍋などの具として用いられることが多い。

・さつま揚げ類

すり身を揚げて作る。刻んだ野菜や海藻、小魚などを加えて作られるものもある。「ゴボウ巻」や「イカ巻き」など、具材を中心に入れ巻いて揚げたものもある。

・その他

卵黄や砂糖を加えてふわりと焼いた「伊達巻」や、すり身を麵状にして茹でた「魚そうめん」、日本独自の「魚肉ソーセージ」なども練り製品の1種である。

栄養成分とその働き

ここでは、中心的な材料となる白身魚のすり身に含まれる栄養素について紹介する。

鶏卵と遜色ないたんぱく質を含む反面、脂質は少ない。たんぱく質を構成する必須アミノ酸のバランスは理想的なバランスに近く、カルシウムやリン、鉄なども一定量含むため、ヘルシーな食材と言える。

注意点

かまぼこなどの製造過程で加えられるデンプンにより、炭水化物を含む一方で食物繊維はほとんど含まないため、糖質が気になる場合は商品パッケージに記載されている栄養成分表をチェックすること。

また、塩分も一定量含まれているため、濃い目の味付けにして食す場合には、塩分量にも注意すること。

ポイント

黒はんぺんやつみれなど、材料の小魚から骨などを取らずにそのまますり潰して作られているものは、特にカルシウムを豊富に含むため、育ち盛りの子供やカルシウムが不足しがちな高齢者には適した食材である。

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