ココナツ

産地と属性

熱帯地方に広く分布する、常緑高木。樹高は10m以上にもなる。
果実は長さ30㎝ほどの卵型で、厚い繊維状のかたい外皮におおわれ、その中に胚乳をもったかたい種子がある。種子の中は、固形胚乳と中心部の液状胚乳に分かれる。1本の木で、年間50個以上もの果実をつける。
ココヤシの果実。ココナツあるいは椰子(やし)の実という。
食用、飲用、油、薬、建材のほか、果実と木のすべてが利用される。 

栄養成分の働き

無色透明の、液状胚乳がココナツジュース。低脂肪、低エネルギーでカリウムを多く含み、体内の余分な塩分や水分を排出し、血圧を正常にしてむくみをとる。
微量に含まれる鉄分、葉酸は貧血を予防し、マグネシウムは筋肉疲労をやわらげる。
ココナツジュースは体液の成分に近く、果実の内部は基本的に無菌状態であるため、昔は脱水症状を起こしたときなどに、生理食塩水がわりに点滴として利用されていたこともある。
果肉には食物繊維が豊富で、整腸作用があり、便秘症が改善される。
白い固形胚乳が、ココナツと呼ばれる果肉。生食のほか、乾燥させ細かくおろして菓子に使われる。
果肉を削りとり乾燥させたものを、コプラという。コプラを水にひたし、布などで絞った乳状の液体がココナツミルクである。飽和脂肪酸を主とした脂質が多く、エネルギー源となる。 

栄養成分

カリウム、マグネシウム、鉄分、葉酸、食物繊維 

注意点

ココナツミルクは、東南アジアなどで料理使われるごく普通の材料。缶入りや冷凍したものが売られている。
いたみやすく酸味がでるので、一度開封したものは、保存用の容器などに詰め替えて冷凍保存し、早めに使いきる。 

ポイント

ココナツミルクの、濃厚な脂肪分が分離して浮いているものをココナツクリームという。水分が分離しているので、開封する前によく振って混ぜるとよい。
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