モヤシ

産地と属性

モヤシというのは植物名ではなく、豆類や穀類などの種子を水にひたし、日光を遮断して発芽させた新芽野菜の呼び名である。一般的に、豆類の種子を発芽させたものをモヤシと呼んでいる。原料の豆や種子によって種類が異なり、若干だが、栄養成分も変わる。施設や工場で栽培されるため、一年じゅう出回り、価格も安く、安定して供給される野菜である。

栄養成分の働き

発芽によって豆本体にはほとんどなかったビタミンCが一気に増加し、アミラーゼという消化酵素が生まれる。アミラーゼはデンプンをブドウ糖などに分解する酵素で、消化を助けて胃腸を整え、食用不振を改善する効果がある。さらに、植物性たんぱく質をはじめ、ビタミンB1、ビタミンB2、鉄など、豊富な栄養素を多量に含む。
ダイズモヤシ:ダイズを原料としている。リジンやトリプトファンなど、人間の体内ではつくられない必須アミノ酸を多く含む。
リョクトウモヤシ:もっとも多く出回っている種類。ブラックマッペモヤシに次いで、ビタミンCを多く含む。
ブラックマッペモヤシ:黒緑色のケツルアズキを原料としている。ビタミンC含有量が、モヤシの中ではいちばん豊富。糖質が少なく、亜鉛や繊維質を多く含む。免疫細胞を活性化する、レクチンという成分も含まれている。
豆苗:えんどう豆の新芽である。免疫機能を強化し、活性酸素の生成を防ぐカロテンが豊富。
アルファルファモヤシ:ムラサキウマゴヤシという、牧草の種子からつくられている。カロテンを豊富に含む。生食できるので、ビタミンCの損失もなく、一度にたくさん食べられる。

栄養成分

タンパク質、脂質、炭水化物、ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンC、カルシウム、食物繊維、鉄、カリウムなど

注意点

ゆですぎると、ビタミンCが損失してしまう。水につけたままにすると、ビタミンCが溶け出す。

ポイント

いたみが早いので、鮮度のよいものを選ぶこと。
色ツヤがよく、ハリのあるものがよい。
茎が太く、ヒゲができるだけ白く、豆が開いていないものが良品。
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