ナバナ

産地と属性

アブラナ科アブラナ属。
漢字では「菜花」と書く。「菜の花」「花菜(はなな)」「かき菜」「つぼみ菜」「油菜(あぶらな)」「菜種菜(なたねな)」などの別名がある。
アブラナ科の花のつぼみや、花茎を総称して呼ぶ。
これらの名称を略して「菜」といい、その花だから「菜の花」と呼ぶようになった。
15㎝ほどの短い菜花の、やわらかい穂先部分を摘んで食す。
旬は3月から4月。
原産地は地中海沿岸、北ヨーロッパ、中央アジア。主産地は千葉県、香川県、高知県、三重県など。
和種と洋種がある。在来の日本種は弥生時代に中国から伝わったといわれ、ナタネの花の実から菜種油をとったり、食用にしたり、観賞用としても親しまれてきた。
明治時代に入ると西洋種の菜種が伝わり、現在の主流種となった。日本在来種は、今では鑑賞用やおもに養蜂業者が栽培しているだけ。
花のつぼみや茎葉を食用とする。独特のほろ苦さと香り、目にも鮮やかな黄緑色が、ひと足早い春を告げる野菜として珍重される。からしあえ、ごまあえ、菜の花漬け、煮びたし、吸い物のほか、ほうれん草や小松菜と同じ感覚で炒め物、肉料理のつけあわせなど、料理の食材として幅広く利用できる。

栄養成分の働き

ビタミンやミネラル類が全般的に豊富で、バランスのよい緑黄色野菜といえる。
とくにビタミンCの含有量は、野菜の中でもトップクラスでレモンよりも多く、皮ふや髪を健康に保つ役割を果たす。
また、カロテンやビタミンB2・Eなどの高い抗酸化作用が老化を防止したり、免疫力を高めてストレスや、さまざまなウイルスから体を守るのに役立つ。
生の状態で比較すると、カルシウムもほうれん草の約3倍は含まれている。
苦味成分であるインドール化合物には、がんの予防効果が期待されている。

栄養成分

カロテン、ビタミンB1・B2・ C、葉酸、カルシウム、鉄、インドール化合物など

注意点

ビタミンB群とCは水溶性のため、調理の際はゆですぎに注意する。

ポイント

葉や茎の緑が鮮やかでみずみずしく、つぼみが開いていないものを選ぶ。
保存は、湿らせたキッチンペーパーに包んで冷蔵庫で2~3日。
かためにゆでれば、冷凍保存も可能。
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