産地と属性
果実酒からつくった蒸留酒の総称で、もっともポピュラーなものは、白ワインを蒸留して樽に入れ、熟成させて作られたもの。ワイン生産国ならどこもブランデーを生産しているが、なかでもワイン生産の盛んなフランスは、ブランデー生産国としても有名。
アルコール度数は40度弱から50度程度。
スペインでは7~8世紀頃にはすでにワインを蒸留していたと言われているが、ブランデーとして確立したのは13世紀頃。この技術がフランスに伝わり、15世紀にはフランスのアルマニャック地方やコニャック地方で生産が始まった。この地方のブランデーは特に品質に優れているため、現代で世界的に有名なブランドになっている。
はじめて日本にその製法を伝えたのは榎本武揚と言われているが、国内で本格的な生産が始まったのは1950年代から。ちなみに、浅草の神谷バーで有名な「電気ブラン」はブランデーベースのカクテルで、誕生したのは1882年(明治15年)とのこと。
ブドウ以外を原料とするブランデーで有名なものに、リンゴによる「カルヴァドス」(アップル・ブランデー)や、サクランボによる「キルシュワッサー」(チェリー・ブランデー)などがある。
栄養成分の働き
蒸留酒の多くは糖質がほぼゼロのため、醸造酒と比べて太りにくい酒といわれているが、カロリーはそれなりに高い。ただし、少量をゆっくり飲むことで、カロリーは押さえられ、アルコールによるリラックス効果も期待できる。
なお、「食後酒として飲むと消化を促進させる」、「寝る前に飲むと睡眠を深くする」などと言われているが、科学的な根拠はなく、むしろ逆効果を生むとの説もある。
栄養成分
アルコール、少量のミネラル(カリウム、ナトリウム、銅など)
注意点
ブランデーの等級付けでよく見かける「VSOP」や「XO」「ナポレオン」などの表記は、コニャックやアルマニャックなどでは厳格に定められているが、それ以外のものは特に規定がないため、同じナポレオンでも品質的にはかなりバラつきがある。注意が必要。
ポイント
よく知られた飲み方は、ブランデーグラスを手のひらで温めながら味わうというものだが、一説によればこの飲み方は、品質が低いブランデーの香りを立たせるための方法とのこと。それなりの品質のブランデーの場合、そういった飲み方をする必要はないが、逆にロックや水割りにするのは、ブランデー本来の味わいを消してしまうため、避けた方が良い。