アユ

産地と属性

サケ目アユ科の魚。漢字では「」と書く。
1年しか生きないことから「年魚」(ねんぎょ)、特有の香りをもつことから「香魚」(こうぎょ)とも呼ばれる。
東アジア一帯に分布し、日本では全国の清流に生息する。
稚魚は海へ下って冬を越し、翌年の春に、生まれた川へ戻って秋に産卵する。体長は30cmほどになり、さわやかな香りとほろ苦い味わいをもつのが特徴。
旬は6~8月で、川釣りの解禁もこのころ。
琵琶湖に生息する10㎝ほどのものを「小アユ」や「稚アユ」といい、冬にとれる体が透き通ったものを「氷魚」(ひうお)と呼ぶ。
一般には塩焼きや天ぷらで食べるが、寿司やかす漬け、甘露煮としても利用される。

栄養成分の働き

たんぱく質を豊富に含み、筋肉や皮ふ、血液をつくる重要な働きをもつ。
カルシウムも多く、骨や歯を強化し、神経を安定させる。ほかにも、カリウムやリン、亜鉛、マグネシウムなどミネラル類をバランスよく含んでおり、細胞や血圧を健康維持や利尿の作用があり、味覚障害の予防にも有効。
レチノールが豊富で、視力や粘膜を正常に保ち、免疫細胞を活性化する。

栄養成分

たんぱく質、カリウム、リン、カルシウム、亜鉛、ビタミン(レチノール)、マグネシウム、ビタミンC、ビタミンEなど

注意点

天然ものはコケや藻、プランクトンを食べているため風味がよいが、養殖ものは配合飼料などを与えているため脂肪が多く、香りも劣る。
うろこと筋肉には寄生虫がついていることが多いので、生食はできない。

ポイント

塩焼きにする際は、風味を損なわないために内臓を抜かずに焼く。なお、酢と相性がよいので、生臭さを消す「たで酢」を添えるとさらにおいしい。
内臓や卵巣を塩辛にした「うるか」は、つまみに向く。
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