産地と属性
スズキ目メバル科もしくはフサカサゴ科に属する海水魚。漢字1文字では「鮋」と書くが、大きな頭部が笠をかぶっているように見えることから「笠子」、表皮が皮膚病にかかって瘡(かさぶた)ができたように見えることから「瘡魚」などと書くこともある。
北海道から九州までの太平洋沿岸および日本海沿岸、朝鮮半島南岸・東岸から台湾に至るまでの比較的浅い岩礁地域に棲息する。国内各地で様々な呼び名がある。
体長は20から30cm程度。体色は、棲息場所によって黒っぽいものから褐色まで様々で、深い海に棲んでいるものほど赤みが強い。旬には諸説あるが、1年を通して水揚げされている。但し、まとまった量が獲れないため、スーパーなどの店頭に並ぶことはほとんどない。
栄養成分の働き
脂質が少ないため、高たんぱく・低脂肪・低カロリーでダイエットにも向いている。良質なたんぱく質には体力向上、代謝活動の促進、免疫力を向上させる働きがある。脂質が少ないため、消化吸収がよく、効率的にたんぱく質を摂ることができる。
カルシウムの吸収を助けるビタミンD、骨の強化に不可欠なリンなどが豊富であるほか、血中のコレステロールを低下させることで動脈硬化を予防する効果や、脳細胞を若く保つ働きなどが期待できる不飽和脂肪酸のEPA・DHAも含んでいる。
栄養成分
たんぱく質、ビタミンA、ビタミンB群、ビタミンC、ビタミンD、ビタミンE、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム、マンガン、リン、鉄、銅、亜鉛など
注意点
尾ビレを除く各ヒレには微量の毒を持ったトゲがあり、頭部やエラブタにもトゲがあるため、さばくときには注意が必要。毒の強さは種類によって異なるが、刺されたのちも痛みと腫れが続く場合は、医療機関へ。
ポイント
白身魚の割に比較的痛みが早いため、刺身にする場合は新鮮なうちに。アラからは良いだしが取れるため、鍋やブイヤベースなどにも向いている。小ぶりのものは、唐揚げにすると良く、頭やヒレまで食べたい場合は二度揚げをする。