モウカザメ(ネズミザメ)

産地と属性

モウカザメ(毛鹿鮫)とは東北地方を中心にした呼び名であり、正式には「ネズミザメ」という名前がある。太平洋北部の亜寒帯海域に生息するサメのため、水揚げも東北地方が中心で、そのため関東圏などの市場に出回る際も「モウカザメ」と表示されることが多い。

体長が3mにもなる大型のサメで、ネズミザメの名の由来は体の色のほか目や口、頭の形がネズミに似ているからとの説が有力だが、別の説もある。一方、モウカザメの名の由来は「マフカザメ(真鱶鮫)」が訛ったものだといわれているが、東北地方を代表する真のフカ(=サメ)であることからその名がついたと考えられる。その他、「カドザメ」「サケザメ」「ラクダザメ」等の名で呼ばれることもある。

年間を通して水揚げされるが、春から夏にかけて量が多い。

ヒレはフカヒレとして利用されるほか、スーパーなどでは筋肉部分を切り身にして売られている。切り身はモウカザメではなく、「もろ」「モロ」と表示されることもある。また、「ホシ」と呼ばれる心臓も流通することがある。

栄養成分の働き

他の魚に比べて鉄とビタミンB6を多く含む。鉄はヘモグロビンの合成に必要なミネラルで、全身に酵素を運ぶ働きがある。ビタミンB6は、たんぱく質をはじめ、神経の伝達物質や赤血球などの合成、脂質の代謝、免疫機能維持などの働きがある。

脂質の中にはDHA(ドコサヘキサエン酸)やEPA(エイコサペンタエン酸)などのオメガ3脂肪酸が含まれており、成人病予防などの効果が期待できる。

栄養成分

たんぱく質、脂質、カルシウム、カリウム、マグネシウム、リン、鉄、亜鉛、ビタミンE、ビタミンB6、葉酸など

注意点

切り身は鮮度が落ちると白く濁り、柔らかくなる。選ぶ際には、透明感があり、身もしまっているものを。

ポイント

よくサメにはアンモニア臭があると言われるが、モウカザメにはない。普通「煮つけ用」として売られていることが多いが、クセのない淡白な味わいが特徴のため、フライやソテーにしても良い。

タイトルとURLをコピーしました