ペコロス

産地と属性

直径が3~4cmほどの小型のタマネギで、他に「小タマネギ」や「プチオニオン」などとも呼ばれる。

「ペコロス」と呼ぶのは日本独特の名称で、その由来ははっきりしていないが、大正時代から昭和初期に日本に伝来した際の西欧での呼び方に基づいたとの説が有力。

通常のタマネギを10倍程度に密植栽培して作る方法と、「パールオニオン」などの専用品種もある。

国内の主な産地は、北海道、愛知県、大阪府など。保存性が高いため通年流通しているが、北海道のものは秋から冬、その他の地域は春から初夏にかけて新ものが出回る。

栄養成分の働き

栄養成分は通常のタマネギと同じ。

切った時に鼻などの粘膜を刺激して涙を出させるのは、硫化アリルの一種であるアリシンによるもの。アリシンには強い殺菌作用があるほか、独特の香りが食欲を増進させ、ビタミンB1の吸収率をアップさせるため、新陳代謝が活発になることで、疲労回復に役立つ。また、血液をサラサラにして、血栓を防ぐ作用があるため、コレステロール値を下げるなどの効果が期待できる。

また、外皮に含まれる黄色の色素成分ケルセチンは、ポリフェノールの一種で、高血圧や動脈硬化、血栓症の予防などに役立つ。

その他、他の野菜にくらべ、オリゴ糖を多く含むため、腸内環境を整える効果が期待できる。

栄養成分

炭水化物、食物繊維、ビタミンC、カリウム、葉酸、ケルセチン、アリシンなど

注意点

タマネギの皮にできる黒いシミは黒カビの一種。その部分を取り除けば食べることはできるが、芯まで黒くなっている時は食べない方が良い。皮つきで丸ごと保存する場合は、風通しの良い冷暗所で。

ポイント

選ぶときは、外皮が乾いていてツヤがあるものを。

外皮は他の野菜クズなどとともに煮込み、濾し取ってスープにすればケルセチンを摂ることができる。

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