産地と属性
元は、ユリ科の植物であるカタクリの地下茎から作られたデンプン粉だが、近年市場に流通しているものの多くは、ジャガイモ(馬鈴薯)から製造される馬鈴薯デンプンとなっている。
江戸時代には滋養薬としても重宝されていた片栗粉だが、野草であるカタクリから取れる片栗粉は少量であるため、明治期になると北海道で盛んに栽培されるようになったジャガイモが主原料となった一方、名称はそのまま残った。
カタクリの名前の由来は、花が傾いた籠のように見えることから「カタカゴ」、それが省略され「カタコ」、さらにユリの花に似ていることから「カタコユリ」、その後「カタクリ」になったという説や、葉の形が栗の子葉に似ていることから「片栗」になったなどの説がある。
栄養成分の働き
栄養成分のほとんどは炭水化物であり、糖質が占める割合が高い。コーンスターチや葛粉など他のデンプン粉とくらべカロリーは低いが、ダイエット中などの場合は使う量に注意すること。
栄養成分
炭水化物、少量のビタミン類・ミネラル
注意点
とろみつけとして使用する場合、デンプンは加熱すると糊化するため、調理中の熱い料理に直接片栗粉を加えるとすぐに糊化してダマになる。それを防ぐには、あらかじめ水に溶かしたもの(水溶き片栗粉)を用意しておき、鍋に加える際にいったん火を止めてから入れてかき混ぜ、その後に火を入れて加熱すること。
ポイント
水溶き片栗粉は、片栗粉と水の量を1:1にするとよい。
炒り卵にひとつ摘みの片栗粉を加えると、フワッとした食感にすることができる。