ウチワエビ

産地と属性

セミエビ科ウチワエビ属に分類されるエビの1種。体長は15~20㎝程度で、全体に平たく上から見るとうちわ(団扇)に見えるため、その名がつけられた。日本近海で獲られるウチワエビには、通常のウチワエビの他に「オオバウチワエビ」がいるが、市場では区別されていない。

水深300mまでの砂泥底に生息し、日本海では能登半島より南、太平洋では伊豆半島より南の海域で漁獲されている。主な水揚げ地は、長崎県や宮崎県。ちなみに、フィロゾーマと呼ばれる幼生は、クラゲの上に乗り、そのクラゲを食べながら成長するため「ジェリーフィッシュ・ライダー」と呼ばれている。

旬は産卵期の秋と、春先から初夏にかけて。身が詰まったものが多く、エビ類の中では歩留まりが良い部類。プリッとした食感に加え、甘みとうまみが強いため、近年は高級食材のひとつに数えられている。

栄養成分の働き

ウチワエビなど甲殻類の殻に含まれているアスタキサンチンは、強い抗酸化力を持つため、動脈硬化を防いだり、ストレスを抑制する他、糖尿病の予防や発ガン抑制、目・脳・肝臓・筋肉・皮膚の機能を高める効果などが期待される成分として、近年注目を集めている。

栄養成分

たんぱく質、ビタミンA、ビタミンB群、ビタミンD、ビタミンE、鉄、リン、マグネシウム、カルシウム、カリウムなど

注意点

店頭で購入する場合は活きており、体に厚みがあって、しっかり重いものを選ぶこと。また、下処理をした冷凍ものも出回っているため、通販でも購入できる。

ポイント

エビのなかでもイセエビに近い種であるため、「味はイセエビ以上」とする声もある。殻や足から良い出汁が取れるため、みそ汁や鍋物などで活用すると良い。

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