フォアグラ

産地と属性

ガチョウ、または鴨の肝臓のことで、フランス料理には欠かせない珍味として大切な食材。
フォア(foie)は肝臓、グラ(gras)は肥えたを意味するフランス語。一般的にはガチョウの肝臓のことをさし、鴨の肝臓より高価。
肝臓を使うのは雄鳥のみ。3か月までは普通に育てられ、その後とうもろこしなどを食道に押し込むガバージュと呼ばれる強制肥育を1か月ほど行う。肥大させた肝臓の重さは500~600gで、通常の肝臓のおよそ10倍。なかには1~2㎏になるものもある。
博物学者でもあり、政治家、軍人であった「大プリニウス」が書いた『博物誌』によれば、古代ローマ人が食べたのが始まりだとされる。ローマ帝国崩壊後は一時衰退したが、ルネサンス期には、たらためて食材として認識されるようになった。
おもな産地は、ガチョウのフォアグラが、フランスのアルザス地方やラングドッグ地方。鴨のフォアグラは、フランスのガスコーニュ地方産のものが多い。どちらも、おもにフランスで生産され、各国に輸出されている。ほとんどは料理店向けだが、一般向けには瓶詰や缶詰もある。
ソテー、パイ包み焼き、パテ、テリーヌなどが代表的な料理法。

栄養成分の働き

ビタミンB12にはたんぱく質の代謝を促し、神経の機能を正常に保つ働きがある。レチノールには、肌や目の老化を予防する作用がある。葉酸との相互効果で正常な赤血球を作る。

栄養成分

ビタミンB12、レチノール、ミネラル、葉酸、脂質、コレステロールなど

注意点

いたみやすい食材なので、使うまでは密閉状態で保存し、すぐに使いきる。
瓶詰、缶詰を買う際は、賞味期限をよく確認する。
100gで約500kcalと高カロリー。脂質も6割と多いので、食べすぎに気をつける。
コレステロール値が高い人は避けたほうがよい。

ポイント

上質なフレッシュフォアグラは、クリーム色がかった白色で、中の筋がつややかなピンク色をしている。
いたみやすいので、一般家庭には瓶詰や缶詰のもののほうが安心。
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