バルサミコ酢

産地と属性

ブドウを主原料として作られる果実酢。イタリアの特産品で、正式には「アチェート・バルサミコ」と言う。イタリア語で「アチェート」は「酢」、「バルサミコ」は「芳香がある」という意味がある。

「トラディツィオナーレ」と呼ばれる伝統的なバルサミコ酢は、原料となるブドウの種類や最低12年の熟成が必要など、細かな製法が決められており、DOPという格付けがされている。但し、これらの生産量は限られているため、ブドウの種類を増やし熟成期間を短くしてワインビネガーを加えた一般消費用のバルサミコ酢もあり、それらはIGPという格付けがされている。

我が国ではイタリアのモデルナ産のものが良く知られているが、近年は山梨など国内でも生産がされはじめており、今後の拡大が期待されている。

作り方は、「モスト」と呼ばれるブドウの果汁を煮詰めた原液を、異なる木材でできた樽に何度も移し替えながら熟成させていく方法で、ワイン酵母や酢酸菌を使って発酵させるワインビネガーとは製法が異なっている。

栄養成分の働き

バルサミコ酢の原料はブドウのため、ワインと効果が似ているものの、濃縮されているため、少しの使用でも同様の効果が期待できる。食酢の一番の特徴はポリフェノールで、米を原料とする日本の黒酢も栄養豊富だが、バルサミコ酢のポリフェノールは黒酢の3倍と言われている。また、他の酢とくらべ非揮発性有機酸と糖分、アミノ酸、カリウムなどのミネラルも豊富なことが特徴。ビタミンとミネラルは貧血予防とコレステロールを下げ、抗がん作用や血栓予防、アンチエイジングにも効果がある。ポリフェノールは血管壁の通過性を良くする作用もあるため、動脈効果を予防する。また、タンニン酸は虫歯予防などの効果もある。

栄養成分

炭水化物、有機酸、カリウム、リン、カルシウム、マグネシウム、鉄、ポリフェノールなど

注意点

賞味期限の表示がないものも多いバルサミコ酢は、開封後も長期保存が可能だが、使用後の保存にあたっては、瓶の口から雑菌が繁殖しやすくなるためなるべく清潔にし、酸化を防ぐ目的でしっかり栓を。夏場は冷蔵庫に入れ、その他の季節は冷暗所に保管すること。

ポイント

独特の芳香を生かして、肉や魚を焼いたものにソースとしてかける他、オリーブ・オイルと混ぜてドレッシングにしても良い。また、バニラアイスにかけるなど、ほかの食酢にはない甘味を生かしてデザートの味付けやトッピングにも。

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