ホタテ貝

産地と属性

二枚貝綱の翼形亜綱、イタヤガイ科の貝。漢字では「帆立貝」と書く。
千葉県の銚子以北、青森県の陸奥(むつ)湾から北海道、オホーツク海、朝鮮半島の浅い海の砂底に生息する。おもな産地は、青森県、岩手県、北海道などだが、近年は養殖ものがほとんど。
殻長20cm、殻高20cmほどになる大きな二枚貝。
冬~春が旬。肉厚で味は淡白であり、ほぐれやすくうまみが強い。
刺身やバター焼き、塩焼き、照り焼き、煮物、揚げ物、スープ、ムニエルなどで食べられる。貝柱の乾物は、「干貝」(カンペイ)ともいって、中国料理で多用される。
青森県では「貝焼きみそ」という、貝殻を鍋にして、貝柱やヒモ、ネギ、削り節をみそで煮て卵でとじる料理が有名。
名前は、「開いた殻を帆(ほ)のように立てて水上を走る」という俗説に由来する。

栄養成分の働き

高たんぱく低カロリーで、健康的にダイエットできる素材として最適である。また、コハク酸やグリシン、アラニン、グルタミン酸、イノシン酸など、うまみ成分のかたまりであるのも特徴。
魚介類のなかでもタウリンの含有量がトップクラスで、血圧を正常に維持してコレステロールの酸化を防ぎ、高血圧や動脈硬化、脳梗塞(こうそく)、心筋梗塞の予防に有効。
鉄や亜鉛が豊富で、貧血の予防や味覚・嗅覚の機能を正常に保つ。
ビタミンA(発育の促進、美肌、粘膜の健康維持に働く)、B2(糖質や脂質の代謝を助ける)、B12(葉酸とヘモグロビン生成を助ける)、E(体内の酸化を防ぎ、老化や動脈硬化、生活習慣病の予防につながる)が含まれており、なかでも葉酸が豊富で、赤血球の形成を補助したり、胎児の発育に重要な働きをする。
干し貝にしたほうが、健康に対する効果や栄養価、うまみが高まる。

栄養成分

たんぱく質、カリウム、リン、マグネシウム、カルシウム、鉄、ビタミンA・B2・B12・C・Eなど

注意点

ワタが黒ずんでいるものは鮮度が落ちているので避ける。

ポイント

触るとすぐに口を閉じるものを選び、むき身なら弾力と貝柱につやがあるものを選ぶ。
食物繊維たっぷりのセロリと合わせれば、タウリンの効果をより発揮できる。
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