産地と属性
メキシコのプエブラ地方が原産のトウガラシの一種。トウガラシの中では辛味が少ないタイプで、形は尖った大きなピーマンに似ており、基本的には緑色のままで食べる。完熟すると赤トウガラシとなるが、赤くなるにつれて辛味や風味が強くなる。
国内で出回っているもののほとんどはメキシコ産だが、京都で小規模に栽培されているものもある。
焼いたり揚げたりしてそのまま食べるほか、ローストした実の中に肉やチーズなどを入れ、ピーマンの肉詰めのようにして食べるメキシコ料理の“チリ・レジェーノ”が有名。他に、モーレと呼ばれるソースの具材として使われる。
栄養成分とその働き
トウガラシの辛さの単位であるスコヴィル値は1,000~2,000程度で、ハラペーニョのスコヴィル値2,500~8,000に比べても辛さは少ない。
栄養素としては、他のトウガラシ類同様、βカロテン・ビタミンCなどのビタミン類を多く含んでいる。体内でビタミンAに変換されるβカロテンは、強い抗酸化作用とともに目や粘膜などの健康を守る役割がある。また、少量ではあるがカリウム・鉄・亜鉛などのミネラル類や食物繊維なども含んでいる。
注意点
“モーレ・ポブラノ”という、チョコレートを使って鶏肉などを煮込んだ有名なメキシコ料理があるが、ここでいうポブラノは地方名のプエブラのことであり、食材としてのポブラノを使った料理というわけではない。ちなみにアメリカで「モーレ」といえば、この料理で使うチョコレートソースを指す。
ポイント
ポブラノを乾燥させた「ドライチレアンチョ」は、甘みのあるまろやかな辛さが特徴で、辛みを抑えたソースなどに適する。鶏の煮込みやスープなどに加えれば、手軽にメキシコ料理風の味付けになる。