万願寺トウガラシ

産地と属性

ナス科トウガラシ属に属するトウガラシの甘味種。京都府舞鶴市が発祥の京野菜で、「万願寺甘とう」というブランドになっている。長さが10cm以上になる大型種で果肉は厚く柔らかくて甘味があり、種が少なく食べやすいため「トウガラシの王様」と呼ばれることもある。

旬は他のトウガラシと同じく初夏から夏の間だが、ハウス栽培で1年中出回っているものもある。発祥地の舞鶴市のほかに、綾部市や福知山市などでも生産されている。

辛くないトウガラシと言えば「シシトウ(シシトウガラシ)」が有名だが、それよりはるかに大きく肉厚。ちなみに同じ京野菜で、シシトウと同じくらいの大きさで少し細くしたような甘味種「伏見トウガラシ」もある。

栄養成分の働き

抗酸化作用や免疫賦活作用のあるβカロテンは、体内でビタミンAに変換され、髪の健康維持や、視力維持、粘膜や皮膚の健康維持に役立つ。

ビタミンCは、風邪の予防や疲労の回復、肌荒れなどに効果が。

βカロテンと並び強い抗酸化作用をもつビタミンEは、動脈硬化や心筋梗塞などの生活習慣病の予防や、美肌を保つ効果がある。

カリウムには、血圧の上昇を抑える働きがあり、高血圧の予防や筋肉の動きを良くする、老廃物の排泄を良くするなどの働きがある。さらに、食欲がない、倦怠感などの症状が起きるのを予防する働きもあるため、夏バテの時期に摂るのは効果的。

栄養成分

タンパク質、食物繊維、βカロテン、ビタミンC、ビタミンB1・B2・B6、ビタミンK、葉酸、バントテン酸、ナイアシン、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム等

注意点

丸ごと加熱するときは、破裂するのを防ぐため、楊枝やフォークで数カ所穴をあけておくと良い。

ポイント

種まで食べられるが、食感が苦手な人や料理の見栄えを気にする場合は、ピーマンのわたのように取り除いてから調理すると良い。また、青臭さが少ないため、ピーマン嫌いの子供にも。

実が肉厚でしっかりしているため、焼いても炒めてもよく、また煮てもくずれることがないため、様々な調理法で食することができる。

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