麦茶

産地と属性

主な原料である大麦は、今からおよそ13000年前に、チグリスユーフラテス、インダス川流域の古代文明発祥地で栽培されていたといわれる。
日本には、約2500年前の縄文期末期に、栽培植物として伝播し、全国に広がった。
煎茶よりもはるかに古い時代から飲まれており、戦国の武将たちも愛飲していたといわれる。
また江戸時代末期になると、町人衆の気軽な飲み物、お茶がわりとして商品化され「麦湯店」という現在の喫茶店に似た店が出現。明治時代に入ると、上野や浅草といった下町では、夕方から夜中まで「むぎゆ」と書いたあんどんが通りに立ちならび、庶民の憩いの場であった。
イネ科で、初夏の5~6月に刈り入れされた新麦の香りがよく、芳ばしくおいしい。

栄養成分の働き

麦茶には食物繊維が多く含まれていて、整腸作用があり、便秘を改善する働きがある。
また、胃の粘膜を保護し、糖尿病の合併症を防ぐ作用や、炎症を抑えるなどの機能がある。
大麦を焙煎することで発生するピラジンという成分(納豆などにも含まれる)が、血液をサラサラにするといわれる。
健康によく、カフェインもないので、年齢を問わず幅広く飲める。

成分

糖質、でんぷん、脂肪、食物繊維、アミノ酸、ピラジン

注意点

麦茶に含まれている「でんぷん質」が溶け出すので、早めに飲みきる。麦茶を煮だしたあとは、パックを早めに取り出す。あら熱をとり、ポットに移して冷蔵室で冷やし、翌日までに飲みきる。

ポイント

代表的な夏の飲料。「麦秋」が初夏の季語的なもの。麦が秋の稲刈りのあと作付けされ、初夏に収穫されていたことに由来している。
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