めかぶ

産地と属性

めかぶ(和布蕪)は、わかめの根元にある肉厚のひだ状の部分で、わかめの生殖細胞が集まった部位。
岩手県と宮城県の2県で全国の生産高の70%近くを占めており、輸入物は、おもに韓国、中国産。旬は3月ごろ。ぬめりが多いことや、葉状部とは大きく形が異なることから昆布の一部、あるいは一種と誤解されることもある。
古代には海藻根(まなかし)と呼ばれ、貢物(みつぎもの)として、のりの次に大切にされており、乾燥品は民間薬としても利用された。中世以降になると、地方産物としてめかぶの名で登場するようになる。
地域により、「ミミ」「ネカブ」「カブ」「メヒビ」など呼称はさまざま。

栄養成分の働き

特有のねばねばは、粘質多糖類のアルギン酸とフコダインといい、わかめの10倍も多く含まれ、免疫力を活性化させたり、血液浄化作用があるといわれている。とくにフコイダンには、腫瘍(しゅよう)を抑える作用、免疫力を高める作用、腸内のピロリ菌を死滅させる作用に加え、白血球の一つマクロファージを活性化させてガン細胞を消滅させる力を有するという研究結果も報告されている。
甲状腺ホルモンの成分となる栄養素であるヨウ素が豊富に含まれており、乳がんの抑制に効果がある。
水溶性の食物繊維やカルシウム、ミネラルもバランスよく含まれている。

栄養成分

ビタミンK、マグネシウム、葉酸、カルシウム、カリウム、ビタミンA(βカロテン)、アルギン酸ナトリウム、フコイダン(食物繊維)、ヨウ素など

注意点

もともとは茶色で、湯通しすることにより鮮やかな緑に変色するが、時間がたつとまたもとの色に戻ろうとする。
熱処理をすると食品に含まれる成分が損なわれてしまうため、栄養素をむだなく摂るためには生で食べるとよい。

ポイント

100gで約11kcal。
食物繊維が豊富なので、便秘の解消やダイエットにも効果的。
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