ヤギ乳(やぎにゅう)

産地と属性

ウシ科ヤギ属の総称である、ヤギから搾られた乳。
ヤギは漢字では、「山羊」または「野羊」と書く。
動物のミルクというと、牛乳を思い浮かべることが多いが、世界的にみた場合、人に飲まれている量は、ヤギや羊のミルクのほうが多いといわれる。
日本では、飲用として利用されることが多く、現在でも岩手、長野、茨城、宮崎で生産が盛んに行われている。しかし、外国と比べて、ヤギを大量に飼育して乳をとる牧場は少なく、ヤギの生乳の生産は少ない。
脂肪の分子の大きさが牛乳より小さいために、消化がよく、牛乳に比べて吸収されやすいのが特徴。
ヨーロッパでは飲用よりも、バターやチーズの原料として古くから利用されている。
アメリカでは、一般的な乳製品としてスーパーマーケットなどにも豊富に置かれ、日本にも粉ミルクが輸入されている。
飲用の場合、独特のにおいがあるため、好き嫌いが別れる。
ヤギが多く飼われていた戦後の日本では牛乳の入手が困難だったため、山村部を中心に多くの家庭で飲まれていた。戦後間もないころ、栄養不足から母乳の出の少ない母親の子どもに与えたことも多い。

栄養成分の働き

たんぱく質、カルシウム、ビタミン類などの栄養素が牛乳よりも豊富。
骨粗しょう症などの改善、情緒不安定、不眠症、ホルモンバランスの乱れ、虚弱体質などの改善に効果がある。また、アトピー性皮ふ炎の改善にも有効とされる。

栄養成分

糖質、脂質、たんぱく質、カリウム、カルシウム、レチノール、ビタミンB2など

注意点

ヤギ乳には、造血作用に関係のある葉酸が少ないので、母乳の代わりとしてそれだけを乳児に与えると貧血を起こしてしまうこともある。

ポイント

成分は、人間の母乳に最も近いため、下痢などの牛乳アレルギーを起こしてしまう人でも飲める場合が多く、そのような人にとっては、牛乳に代わる非常に有用な食品となる。
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