ブリ(ハマチ)

産地と属性

スズキ目アジ科の魚。漢字では「鰤」と書く。
回遊魚で日本各地に生息し、北海道近海から東シナ海まで分布する。
天然ブリの産地は、おもに長崎県、石川県、富山県、島根県。養殖は、おもに鹿児島県、愛媛県、大分県など、関西から九州までの、ほぼ全域で盛んに行われている。
出世魚として有名で、成長の各段階で呼び名が変わり、呼び名は地方によっても違う。
ちなみに、関東では、ワカシ・ワカナゴ→イナダ→ワラサ→ブリ。
関西では、ワカナ・ツバス→ハマチ→メジロ(イナダ)→ブリである。
ハマチというのは関西におけるブリの成長途中の呼び名だが、養殖が広まったことから、養殖されたものをハマチ、天然のものをブリと呼び分けることもある。
成長が早く、1年で30cm、2年で50cm、3年で60cm、4年で70cmまで大きくなり、5年で80cmを超える。おいしいものは40cmを超えてから。
天然ブリの旬は、11月~12月で「寒ブリ」と呼ばれる。春の産卵に備えてエサを多く食べるようになるので身が太り、脂がのってくる。
一般に出まわっているのはハマチサイズのもの。安価な養殖ものが中心で、高価でサイズの大きい天然のものは少ない。刺身をはじめ、寿司ネタ、照り焼き、煮もの、鍋ものなど、多種多様に利用される。 

栄養成分の働き

脂質が多いのが特徴。脂質には、血液の流れをよくして動脈硬化を防ぐエイコサペンタエン酸(EPA)や記憶力の低下など脳の老化を防ぐドコサヘキサエン酸(DHA)が含まれる。また、ビタミンB1・B2を多く含む。 

栄養成分

たんぱく質、脂質、カリウム、ビタミンB1・B2・E・D、ナイアシン、レチノールなど 

注意点

アレルギー体質の人は、発熱、嘔吐を起こすことがあるので、とくに生食は控える。 

ポイント

目が濁っておらず、尾が大きくて鋭く、ウロコが黄金色に輝いていて体に傷のないものが鮮度がよい。
捨てるところなく食べられる魚で、とくにアゴの部分は、DHAやEPAが豊富にある場所なので、塩焼きにしたり、煮もの、鍋ものにするとよい。
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