チリ(chili)関連香辛料

産地と属性

チリ(chili)とは、一般的には赤トウガラシを用いた香辛料を指し、関連する香辛料には以下のようなものがある。

<チリペッパー(chili pepper)>

赤トウガラシを乾燥させ粉末にしただけの香辛料であり、日本では「一味唐辛子」がそれにあたるが、トウガラシの実そのものを指すこともある。香辛料としてのチリペッパーには、粗挽きタイプとパウダータイプのものがある。

ちなみに「一味唐辛子」は、「チリペッパーパウダー」と呼ばれるのが一般的。

<チリパウダー(chili powder)>

赤トウガラシをベースにしたミックススパイス。ブレンドするスパイスの種類に決まりはなく、オレガノ、クミン、ガーリック、パプリカなど数種類を配合して作られる。アメリカが発祥の地と言われているが、日本の「七味唐辛子」も広義のチリパウダーの1種である。尚、チリペッパーと同じトウガラシ単体の粉末を、綴りは異なるが同じ発音で「チリパウダー(chile powder)」」と呼ぶこともあるため、注意が必要。

また「パプリカパウダー」もしばしば同種に間違われるが、原料はほぼ赤パプリカのみであり、辛さのないものがほとんどのため、明確に区別する必要がある。

<チリフレーク(chili flakes)>

通常チリパウダーよりも粗挽きにした赤トウガラシによる香辛料で、細かく刻んだタマネギやコショウなどを加えたもの。インドネシアやスリランカなど東南アジア産のものが有名。ミャンマーでは「ローストチリフレーク」と呼ばれる香辛料が日常的に使われている。

<チリソース(chili sauce)>

トマトを主原料として濃縮したものに食塩、香辛料、酢、砂糖などを加えた、ピリ辛で甘さもあるソースのこと。揚げ物などのタレとしてアジア圏でよく使われるほか、サラダのドレッシングとして使われることもある。チリと名がついているがトウガラシを加えないものも多く、市販品のなかにはトマトケチャップのように辛みのほとんどないものもある。

ちなみに「チリビーンソース(chili bean sauce)」とは豆板醤のことで、「チリオイル(chili oil)」はラー油のことである。

<チリペッパーソース(chili pepper sauce)>

トウガラシに、酢や塩を混ぜて熟成させた液体香辛料。 赤トウガラシ由来のものが多く、ピリッとした刺激的な辛さと酸味が特徴である。通常は「ホットソース」と呼ばれる方が一般的であるため、詳しくは下記を参照のこと。

<ホットソース(hot sauce)>

チリという名はついていないが、ほとんどのものにトウガラシのエキスを含んでいる。タバスコが最も有名だが、それよりも辛いもの、辛くないものなど様々な種類が出回っている(タバスコも辛さに応じて数種類が存在する)。激しい辛さのものは「デスソース」などとも呼ばれる。ちなみに国産のホットソースとして、沖縄の島トウガラシを使った有名な「コーレーグース」や、石垣島産でハバネロの5倍の辛さがあるといわれるアカハチという赤トウガラシを使った「アカハチ辛すぎホットソース」などがある。

<チリペッパーウォーター(chili pepper water)>

主にハワイで使われている液体香辛料で、水と酢に赤トウガラシを入れて作る。一説にはこれが沖縄に伝わり、コーレーグースになったと言われている。

その他、アメリカ合衆国では、挽肉と豆の料理名である「チリコンカン」または「チリビーン(ズ)」をチリと呼ぶ場合がある。

栄養成分とその働き

赤トウガラシの栄養成分などについては、赤トウガラシカイエンペッパーを参照。

注意点

激辛などと表示のあるホットソースの中には、1滴たらすだけでも相当に辛さを感じさせるものがあり、数滴で料理の味自体がわからなくなる場合もあるため、その点を考慮した使用量にすること。また、特に小さな子供のいる環境で使う場合、子供の手の届くところには絶対に置かないこと。

ポイント

チリと名がつく香辛料や調味料は実に多種多様のものがあるため、料理の種類や辛さの好みに合わせて使いわけると良い。

また、チリ関連の香辛料の呼び名はメーカーによって異なるため、原材料などをよく見て判断すること。

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