カイエンペッパー

産地と属性

熟した赤トウガラシの実を乾燥させた香辛料。粉末にしたものを指す場合もあるが、トウガラシの実そのものを指すこともある。ペッパーと名がついているがコショウ(胡椒)ではない。

カイエンペッパー(カイエン種)と呼ばれるトウガラシは、特定の品種や学名上の分類を指す名称ではなく、「赤く長細いトウガラシで粉末のスパイスに適した辛味と風味を持つ品種」を総じてそう呼ぶ。

名前の由来は、南米にあるフランス領ギアナで栽培されていたため、その首都名の「カイエンヌ」から来ていると言われており、そのためカイエンヌペッパー(cayenne pepper)と呼ぶ場合もある。

栄養成分とその働き

色は鮮紅色から暗赤色のものまであり、トウガラシの辛さの単位であるスコヴィル値が30,000~50,000という強い辛味があるのが特徴。日本で一般的に栽培されている赤トウガラシの「鷹の爪」のスコヴィル値は40,000~50,000であるため、辛さ的には同じレベルと言える。ちなみに、激辛で有名な「ハバネロ」のスコヴィル値は250,000~450,000であり、10倍近い値となる。

トウガラシの果実にはカプサイシンという物質が含まれ、このカプサイシンが舌などにある辛味受容体の神経を刺激して辛みを感じさせる。したがって、辛み単位であるスコヴィル値とは、このカプサイシンの量でもある。

(※カプサイシンとその他の栄養成分については赤トウガラシを参照)

注意点

カイエンペッパーを使うことによって、料理をおいしく感じさせる辛さが与えられるほか、食欲増進などの効果もあるが、カプサイシンを摂り過ぎると、のどや胃の粘膜が傷つき荒れてしまうことがあるため、使用量に注意し、食べ過ぎないようにすること。

子供は辛さの刺激に慣れていないため、誤って口にすることがないよう注意が必要。

ポイント

「チリペッパー」や「レッドペッパー」と呼ばれる香辛料があるが、一般的にはカイエンペッパーも含めて赤トウガラシが原料の香辛料のことを指し、辛さの程度の差はあるものの厳密な違いはない。

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