スズキ

産地と属性

スズキ目のスズキ亜目、スズキ科に属する魚。漢字では「鱸」と書く。
海岸付近や河川に生息する。
北海道南部から九州までの日本列島沿岸と、朝鮮半島に分布。
成長するにつれて「セイゴ」、「フッコ」、「スズキ」と呼び名が変わる「出世魚」でもある。
東京湾、伊勢湾、大阪湾、瀬戸内海、有明海がおもな漁場である。主産地は千葉県。
産卵期である10~3月に多く出回るが、旬は肉質がよくなる夏。
白身魚で、夏場の高級魚として知られる。質はタイに似てやわらかく、くせもなくあっさりしている。刺身をはじめ、昆布じめ、寿司ネタ、揚げ物、炒め物、塩焼き、煮物、鍋など、多種多様に利用される。酒蒸しやワイン蒸し、香草焼きにしてもおいしい。

栄養成分の働き

リンがとくに豊富で、骨や歯を形成する。カリウムも含み、塩分を排出して高血圧を予防する。マグネシウムやカルシウムなどもバランスよく含まれ、骨や歯をつくったりストレスをためこまない体質につながる。
ビタミンAを多く含み、皮ふや内臓、目の粘膜を強化して、免疫細胞を活性化させる。また、ビタミンB1も含み、糖質の代謝を助けたり、疲労のもとである乳酸の蓄積を防ぐ。さらにビタミンDも含まれ、カルシウムやリンを運んで丈夫な骨や歯の形成に役立つ。
脂質にはEPA(エイコサペンタエン酸)とDHA(ドコサヘキサエン酸)が含まれ、血液をサラサラにして流れを促進させ、動脈硬化を防ぐ。

栄養成分

たんぱく質、脂質(DHA、EPA)、カリウム、リン、マグネシウム、カルシウム、ナイアシン、ビタミンC・E・B6・B2・B1・A・Dなど

注意点

生きたものを調理する場合、暴れたり、えらぶたが鋭く危険なため、頭部をたたいて失神させてから行う。

ポイント

目の周辺の脂身は、うまみやDHAが豊富で、煮ても焼いてもおいしい。肝臓や心臓はソテーに、腸は吸い物や煮物、皮はあぶり焼き、骨はだしに用いるなど、捨てる部分はほとんどない。
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