赤トウガラシ

産地と属性

ナス科トウガラシ属の一年草、または多年草。漢字では「赤唐芥子」あるいは「赤唐辛子」と書く。作物としての旬は8月~10月だが、赤トウガラシは一般に乾燥させて利用するため、旬はあまり関係がない。
クリストファー・コロンブスが1493年にスペインへ最初のトウガラシを持ち帰ったが忘れられ、のちにブラジルで再発見したポルトガル人によって伝播(でんぱ)され、各地の食文化に大きな影響を与えた。
ヨーロッパでは、純輸入品のコショウに代わる自給可能な香辛料として南欧を中心に広まった。16世紀にはインドにも伝えられ、さまざまな料理に香辛料として用いられるようになった。バルカン半島周辺やハンガリーには、オスマン帝国を経由して16世紀に伝播した。

栄養成分の働き

健胃薬、凍瘡(とうそう)・凍傷の治療の薬、育毛剤、発汗促進剤など、薬としても利用される。ビタミンAとビタミンCが豊富なことから、夏バテの防止に効果が高い。また、殺菌作用があり食中毒を防ぐともいわれるので、とくに暑い地域で多く使われている。
カプサイシンは自律神経に刺激を与え、アドレナリンが分泌されることで血流が良くなり、体温上昇、脂肪燃焼、胃液の分泌などの機能を促す。

栄養成分

ビタミンA・C・E、カプサイシン、カリウム、カロテンなど

注意点

生のまま食べる場合と、乾燥させたのちに使う場合とがある。スペイン料理でよく使われるチポトレのように燻煙(くんえん)してから使う場合もある。生の緑色のトウガラシのほうが体には良いという意見もある。一般的に、日本国内で入手できる青トウガラシは生のものを加熱することで辛味が甘味に変化し、乾燥したトウガラシでは加熱すると辛味が増す傾向にある。
色が鮮やかで、張りとツヤがあるものを選ぶとよい。

ポイント

コショウなどの、ほかの香辛料と同様、料理に辛味をつけるために使われる。日本では料理や漬物に薬味として多少使われる程度だが、日本産のトウガラシ(タカノツメが一般的)は、韓国のそれよりかなり辛い。沖縄そばには、赤トウガラシを泡盛に漬けた「コーレーグース」と呼ばれる薬味が欠かせない。
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