キンキ

産地と属性

カサゴ目カサゴ亜目、フサカサゴ科に属する深海魚。漢字表記は、「吉次」「黄血魚」。別名キンキン、メンメ、メイメイセン、アカジ、アスナロなど。和名ではキチジと呼ばれており、「吉事」を連想させ、「目出度い」魚とされているため、昔から東北や北海道では正月の祝い膳に欠かせない魚。白身の魚で、美味な高級魚とされる。旬は11~2月。
駿河湾以北の本州から、千島、サハリンなどに分布する北方系の魚だが、日本海側にはほとんど生息しない。水深150~1200mの大陸棚斜面に分布し、おもに200~600mの岩礁域に生息する。
定番の煮つけのほかにも、塩焼き、鍋物、生干し、から揚げ、粕漬け、椀種、ブイヤベースなど、幅広い調理方法で利用できる。
白身にもかかわらず、脂がふんだんにのっており、しかもあっさり。刺身にするなら、ゆでた肝をしょうゆでといていただく。また、内臓とウロコを取り、塩は入れずにただ煮るだけの湯煮もよい。湯を煮立ててしまうと煮くずれするので、注意が必要。ポン酢やしょうゆをかけていただく。 

栄養成分の働き

不飽和脂肪酸のエイコサペンタエン酸(EPA)とドコサヘキサエン酸(DHA)を多く含んでいる。この2つの働きで血液をサラサラにし、脳細胞や神経組織を活発化させてくれる。その結果、血中コレステロールを調整して中性脂肪を減らし、高血圧や動脈硬化を防ぐ。
また、キンキの血合いにはタウリンが多く含まれていて血栓症を予防し、肝臓の再生を促す働きもある。脳や神経、目の機能を向上させ、皮ふや粘膜を保護し、細胞を健全に保つ。 

栄養成分

脂質、たんぱく質、脂質、EPA、DHA、ビタミンA・E、タウリンなど。 

注意点

選び方としては、目が黒く澄んでいて、落ちくぼんでいないこと。体を覆うヌメリが透明で、体色が鮮やかな朱赤色でみずみずしく、背ビレの黒い斑紋が明瞭であるものを選ぶとよい。 

ポイント

春の産卵を控えて卵巣が発達する、冬がいちばんおいしい。
塩焼きや煮つけとして調理するとよい。煮つけにする場合は、煮汁にEPAやDHAが溶け出すので、ゴボウやワカメなどの食物繊維を含んでいる食材と一緒に煮つめると効果的。
タイトルとURLをコピーしました