サンチュ

産地と属性

キク科アキノノゲシ属の、一年草または越年草。
「サンチュ」は韓国名で、日本名は「包菜(つつみな)」「掻き萵苣(かきちしゃ)」。
ほかにも「茎萵苣(くきちしゃ)」「カッティングレタス」など呼び名が多い、レタスの変種。
葉や茎を折ると乳状の液が出ることから、「乳草(ちちくさ)」と呼ばれ、この音が転じて「知佐(ちさ)」、「萵苣(ちしゃ)」となった。
平らな葉を1枚ずつ下からかき取っていくので、「かきちしゃ」という。
茎は太く、葉は長楕円形をしており、平らで巻いていない不結球タイプ(リーフレタス)。表面が縮れ、薄くてやわらかい。わずかに甘い香りがする。
原産は中国、イラン、イラクなど、諸説ある。
旬は夏だが、水耕栽培などによって一年じゅう出まわっている。
古代エジプト時代から栽培されており、日本へは奈良時代に中国から伝わり、栽培されていた。
918年に書かれた『和草和名』には「白苣・知佐」として記載されている。
明治時代に、現在のような玉レタスがアメリカから入ってきたことで影響を受け、店頭から姿を消した時期もあったが、焼き肉用として需要が増えた。焼き肉や生春巻き、のり巻き、サラダのように生で食べるほか、チャーハンやスープ、しゃぶしゃぶなどの具として、さっと火を通してもおいしい。

栄養成分の働き

玉レタスは淡色野菜だが、サンチュは緑黄色野菜のため、カロテンやビタミン類、カリウムや鉄などのミネラル類が多く、β(ベータ)‐カロテンは玉レタスの約10倍も含まれている。
ビタミンC・E、カリウム、カルシウムも2~5倍。
β-カロテンには抗酸化作用によりがんを予防したり、粘膜を強化して風邪などの感染症を防ぐ働きがある。
ビタミンC・Eの相乗効果により、血管や細胞の老化を防ぎ、動脈硬化を予防することも期待できる。
切ったときに出る乳状の液には、精神を安定させ、眠りを誘うラクッコピコリンという成分が含まれる。

栄養成分

β‐カロテン、ビタミンC・E、鉄、カルシウム、カリウム、ラクッコピコリンなど

ポイント

葉の色が鮮やかで張りがあり、パリッとしてみずみずしいものを選ぶ。
保存するときは、湿らせた新聞紙に包んでビニール袋に入れ、冷蔵庫に根のほうを下にし、立てて置く。
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