赤ワイン

産地と属性

黒ブドウを、果皮や種子ごとつぶして果汁を発酵させた醸造飲料。
起源についてはさまざまな説があり、紀元前5000年~6000年にグルジアとイランから起こったという説や、紀元前6000年ごろにイランのシュメール人から始まったという説、また古代文明発祥の地、メソポタミアであるという説などもあり、歴史の古さがうかがえる。
おもな産地は、フランス、イタリア、ドイツ、スペインなど、ヨーロッパに集中しているが、近年北アメリカやオーストラリア、チリなどにも広がっている。キリスト教の布教にともなってヨーロッパに広がり、その後、ヨーロッパからの移民が、南北アメリカ大陸などでのワインづくりを普及させた。
日本での醸造は、ブドウ栽培とともに明治時代から始まっている。おもな産地は、山梨県や長野県で、世界的なコンクールでも評価されるほど質は高い。
製造過程で、果皮や種子、房の軸の部分も発酵させて樽で熟成させることにより、多くのポリフェノールが溶け出す。

栄養成分の働き

特筆すべきは、アントシアニン、フラボノイド、カテキン、シンプルフェノール、タンニンなど、ポリフェノールの種類が抜群に多いことである。その量は、緑茶の4倍、白ワインの10倍も多く含まれている。
アントシアニンには強い抗酸化作用があり、血管の保護や血行の促進、動脈硬化の予防などに有効。
フラボノイドは、口臭予防をはじめ、正常な血管や血圧の維持に働く。また、活性酸素を減少させ、動脈硬化や血管の障害の予防や改善に効果的。
カテキンは、抗酸化作用やがんの発生を止める働きをもち、がんや高血圧の予防、免疫力の向上に役立つ。
ケルチンには、正常な細胞ががん細胞に変化するのを抑える働きがある。
醸造するうちに樽からもリグニンやタンニンが溶け出し、抗酸化作用や赤ワインの渋みやコクを生む。タンニンは脂肪を分解する作用をもち、肥満防止に有効である。

栄養成分

カリウム、リン、マグネシウム、ナトリウム、鉄、ポリフェノール(アントシアニン、カテキン、シンプルポリフェノール、タンニンなど)、カリウム、ナトリウムなど

注意点

ポリフェノールが豊富に含まれ、健康によいとされているが、飲み過ぎに注意する。
歯のホワイトニング直後は、色の濃い赤ワインは着色しやすいので控える。

ポイント

ポリフェノールは熱に強い性質があり、ソテーや煮込み料理、ソースなどの、熱処理をする料理にも向いている。
寒い季節やかぜのひきはじめには、温めた「ホットワイン」に、スパイスやはちみつなどを加えて飲むと、血行が促進されて体が温まる。
貧血や便秘が気になるに人は、鉄や食物繊維が豊富なプルーンをワインに漬けたものがおすすめ。
タイトルとURLをコピーしました