ワラビ

産地と属性

コバノイシカグマ科ワラビ属。漢字では「蕨」と書く。
「ワラビナ」「ヤワラビ」「サワラビ」「シトケ」などの別名がある。
子どものこぶしに似ているところから、「蕨手(わらびて)」とも呼ばれる。
「藁火(わらひ)」の意味で、その色が焼いた藁に似ていることから名づけられたとする説や、「わら(茎)」「み(実)」の「わらみ」が 変化したもので、食べられる茎の意味からとの説がある。
山菜の一つで、若芽は褐色の毛でおおわれ、高さ30㎝ほどに成長すると渦状に巻いたこぶしの部分が開き、羽状に分かれた三角形の葉になる。
明治以降に栽培されるようになり、葉があまり伸びないうちに収穫される。
日本全土の日当たりのよい草原、林辺、土手などに自生する。おもな生産地は、山形県、岩手県など。
旬は春。
古くは『万葉集』にも詠まれている。天明・天保の大飢饉(ききん)のとき、飢餓(きが)を救った米沢藩主、上杉鷹山(ようざん)の時代に著された「山菜書」にも、このとき食されていたことが記されている。
アク抜きが必要だが、最近はアク抜きをした水煮や塩漬け、乾燥ものが出回っており、1年を通して食べられる。
若芽が巻いているやわらかい茎葉部分を、煮つけや天ぷら、汁物、おひたし、あえ物などにして食する。
根茎のでんぷんを「ワラビ粉」と呼び、ワラビもちの原料となる。

栄養成分の働き

乾燥させると栄養価が高くなり、カロテンやビタミンA、カルシウムなどが100g中に生の約10倍に増え、1日に必要な摂取量がとれてしまう。
カロテンやビタミンAには、免疫機能を高める働きがある。
さらに食物繊維も多く、1日の必要量の2~3倍が摂れるので、便秘ぎみの人には効果的。

栄養成分

ビタミンA・B2、カロテン、カルシウム、食物繊維など

注意点

アクには発がん性物質が含まれているといわれるが、アク抜きと煮つけの熱処理をしっかりすれば心配はいらない。

ポイント

アクが強いので、木灰や重曹で十分にアクを抜いてから食べる。
30~40㎝くらいのものを選ぶ。
塩漬けで保存する場合は、一晩水につけ、塩をまぶしてビニール袋に入れて冷凍する。
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