タラバガニ

産地と属性

タラバガニ科タラバガニ属に分類される甲殻類の一種。生物分類学上はカニ下目ではなくヤドカリ下目に分類されているため、カニではなくヤドカリの仲間である。但し、水産業・貿易統計等の分野ではカニの一種として取り扱われている。英語圏ではKing Crabと呼ばれる。
大きいものは足を広げると1mにもなる大型の甲殻類で、北極海や北太平洋のほかに、日本海の水温10℃以下の「冷水帯」と呼ばれる海でも生息している。国内での主な産地は北海道で、漁期は秋から冬にかけて。ロシア、アメリカなどからの輸入も多い。本来の色は暗紫色だが、茹でると殻に含まれているアスタキサンチンによって赤橙色になり、通常、市場にはその状態のものが出回っている。
ちなみに「タラバ」とは、魚のタラが獲れる漁場(鱈場)に生息域が重なることから名づけられたという説がある。近縁種としてよく知られているものに、アブラガニやハナサキガニがある。

栄養成分の働き

高たんぱくで低カロリーであると同時に、特徴的な成分には次のような働きがある。
高い抗酸化作用のあるアスタキサンチンには、眼精疲労の改善や動脈硬化の予防、疲労回復などに効果がある成分。タウリンは。血液中のコレステロールや中性脂肪を減らし、高い血圧を下げたり、肝臓の解毒能力を強化する働きが。カルシウムは、骨を強化するだけでなく、イライラ予防などにつながると言われている。

栄養成分

たんぱく質、ビタミンB群、ナイアシン、銅、亜鉛、タウリン、カルシウム、アスタキサンチンなど。

注意点

脚は触って硬いものを。冷凍のものは持って重く感じるものを選ぶと良い。刺身用(活けガニ)として売られているものは体液の出ているものや、動かないものは避けること。

ポイント

ケガニなどとくらべて、ほとんどミソ(中腸腺と呼ばれる部位)がないため、ミソを期待するのなら他のカニを選ぶこと。また、内子は美味だが、外子は食べない方が良い。

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