糠(ぬか)

産地と属性

わが国で通常「糠」といえば「米糠(こめぬか)」を指すが、他に大麦の糠は「麦糠(むぎぬか)」、小麦の糠は「ふすま(麬)」という。また燕麦(えんばく)の糠は「オートブラン」と呼ばれ、近年のヘルシーブームもあって一般に知られるようになった。

米糠は、収穫された稲から籾殻(もみがら)を取り除いた玄米を白米に精米する過程で出る粉のことで、糠層や胚芽などで構成されている。米糠は玄米の10%程度を占めているため、10㎏の玄米を精米すると約1㎏の米糠が取れる計算になる。米の栄養素の95%は米糠に含まれていると言われているほど、栄養価が高い。

米糠の利用法は、ぬか漬けを作るための「ぬか床」にするのが一般的だが、他に抽出した油を「こめ油(米糠油)」としても利用される。ただ、抽出には独特の技術と手間がかかるため、菜種油や大豆油とくらべて価格は高くなるが、酸化しにくいなどの特徴がある。

栄養成分の働き

ビタミンEは、抗酸化作用により体内の脂質を酸化から守り、細胞の健康維持を助ける。

ビタミンB1は、糖質の分解を助け、中枢神経と末梢神経の機能を正常に保つ作用もある。

特徴的な成分としては、酸化の原因となる余分なミネラルを体外へ排出する作用のあるフィチン酸や、強力な抗酸化作用で「お米のポリフェノール」とも呼ばれるフェルラ酸などを含んでいる。

栄養成分

たんぱく質、脂質、ビタミンB1、ビタミンE、リン、亜鉛、鉄、葉酸、食物繊維など。白米と比較してタンパク質は約2.2倍、ビタミンEは104倍、食物繊維は36.6倍あると言われている。

注意点

ぬか床として使う場合、暑い時期は発酵し過ぎることがあるため、冷蔵庫で保管すること。(他の季節は冷暗所保管で可)また、1日1回はかき混ぜ、水分が多くゆるくなったと感じた時は、足し糠をおこなうこと。

ポイント

ぬか床を作る際に使う米糠は、米屋などで買い求めたなるべく新鮮なものを使う方が良い。

米糠には独特の匂いや粉っぽい食感があるため、そのまま食すのは難しい。栄養素をもれなく摂りたい場合はサプリメントなどで。

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