ホヤ

産地と属性

脊索動物門・尾索動物亜門・ホヤ綱に属する海生動物で、漢字では「海鞘」「老海鼠」「保夜」などと書く。世界の海には2,000種以上がいるといわれているが、一般的に国内で食されるのは「マボヤ」と呼ばれる種で、形状がパイナップルに似ていることから「海のパイナップル」と呼ばれることもある。

主な産地は東北地方の太平洋・日本海沿岸で、養殖物が多いが天然物もある。旬は夏。その他に、北海道で獲れる表面に凸凹のない「アカボヤ」という種も一部で食されている。

名前の由来は、ランプシェードの「火屋(ほや)」や、ヤドリギの古名である「ホヤ」に形が似ているため、そのように呼ばれるようになったなどの説がある。

栄養成分の働き

リン・鉄・亜鉛といったミネラルを豊富に含んでおり、疲労回復や集中力を高める効果があるグリコーゲンの量は牡蠣の約2倍。

その他、成人病の予防効果があるとされるタウリンや鉄分、ビタミンB12といった栄養素も豊富に含み、美容や健康にもよい。

ビタミンEやビタミンB12には、強い抗酸化作用があり、体内で発生した活性酸素の活動を抑え不飽和脂肪酸の酸化を防ぐため、動脈硬化や心筋梗塞といった血管系の病気の予防にも役立つ。

また、ホヤが持つプラズマローゲンという物質は、認知症の改善や予防に効果があるといわれており、近年注目されている。

栄養成分

たんぱく質、ナトリウム、カリウム、亜鉛、鉄、ビタミンE、ビタミンB12、葉酸、EPA、DHA、タウリンなど

注意点

全体に張りがあり、ずっしりと重いものを選ぶこと。最初からしぼんでいたり、触るとしぼんでしまうものは古く、匂いも強くなるため避ける。

ポイント

通常「ワタ」と呼ばれる肝臓や腸部分には独特の匂いがあるため、ワタを除去して水洗いすると匂いを抑えることができる。また、「ホヤ水」と呼ばれる中に入っている水にもホヤ特有の匂いがある。この匂いを好きな人は、ホヤ水で刺身を洗ったり、醤油の代わりにホヤ水にワタを溶いたものをつけて食べても良い。

タイトルとURLをコピーしました