産地と属性
ヨーロッパを原産地とするバラ科ナシ属セイヨウナシ種に属する果実の総称。和ナシと同じく起源は中国とされており、古代にヨーロッパへ渡って様々な品種が作られるようになった。
日本には明治時代の初期にアメリカとフランスから輸入され、各地で栽培が始まったものの、栽培条件や栽培法が和ナシと違っていることなどの理由により、広まることはなかった。ただ、東北地方や長野県・新潟県などは気候風土が適していることもあり、現在に至るまで積極的に栽培されている。(全体の75%の収穫量を山形県が占め、他は新潟・長野・青森・福島の4県となっている)
和ナシとの大きな違いは、縦長のものが多いという形状に加え、シャリシャリとした食感ではなく、ねっとりとした柔らかさと香りがあることで、これは収穫後に追熟することで得られる。
国内で栽培されている品種は、「ラ・フランス」が全体収穫量の70%ほどで、残りを「バートレット」「ル・レクチェ」「シルバーベル」などの品種が数%ずつで分け合っている。
7月頃から出回る和ナシにくらべ、出荷時期は9月以降になるものが多く11月になってから出回るものは、追熟期間によっては1月まで楽しめるものもある。
栄養成分の働き
基本的な栄養成分は、和ナシと同じ。但し、和ナシにくらべて糖質が多いため、カロリーも高い。
疲れを感じる原因のひとつ乳酸を代謝するアスパラギン酸を含むため、疲労回復効果が期待できる
水溶性の食物繊維も多く含まれているため、便秘の改善にも効果がある。但し、食べ過ぎは下痢にもつながるため、量には注意する。
栄養成分
ビタミンC、カリウム、葉酸、食物繊維など
注意点
購入する際は、表皮に傷がないもの、部分的に柔らかくなっていないものを選ぶこと。また追熟期間を知りたい場合は果物専門店で購入し、その際に問い合わせると良い。
ポイント
国内産の洋ナシは、果皮が緑色のものが多く、追熟するにつれて黄色くなる。緑色のうちは本来の味がほとんど無いため、必ず追熟してから食すること。
追熟は、紙袋などに入れて乾燥を防ぎ、室内(15〜20度)で。食べ頃の判断は、指で軽く押して柔らかさを感じたら。